時のアラベスク (角川文庫)

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本棚登録 : 113
レビュー : 12
著者 :
ニャ~さん 服部まゆみ   読み終わった 

『この闇と光』の衝撃には及ばなかったが、耽美な筆致はこのデビュー作から。ヨーロッパの街を舞台に起こる事件と、アーティストばかりの登場人物たち。完璧な青年に思えた慶と、まるでボーイズ・ラブのようにうっとりしながら読んでしまった亮との関係が浅はかだったところに途方もない虚しさを感じる。

以下に引用する、解説で紹介されている著者の言葉が良い。私は「ロマンのない謎だけ」の小説も決して嫌いではないが、こういうハッキリした立ち位置を貫かれているのは素晴らしい。本書と著者の執筆スタイルの本質が表れていると思う。
「よく文学のすべてにミステリーの要素が含まれているというが、ロマンの中の謎というのは、物語を進める中でも魅惑的なものであり、それは頷ける。しかし、ロマンのない謎だけというのは、いただけず、クロスワード・パズルに“です”“ます”を付けただけのようなものに付き合う気にはなれないし、“A点からB点まで五分で行くのは不可能だ”となどという事を知るために一冊の本を読む気は起きない」

レビュー投稿日
2013年7月20日
読了日
2013年7月20日
本棚登録日
2013年7月20日
2
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