ネットがつながらなかったので仕方なく本を1000冊読んで考えた そしたら意外に役立った (ノンフィクション単行本)

著者 :
  • 角川書店 (2013年8月30日発売)
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まず2年半(出所期間)で1000冊を読んだのはすごすぎる。1ヶ月で33~40冊、1日で1~3冊ということになる。社会的に駆逐されて刺激も欲求も満たせない世界で知的活動を怠ることなく、普通の世界で暮らしている僕らが到底できないことをやってのけた。それほどに、①情報、知識への絶えない欲求②自分を高めたい無限の向上心、が強かったと言える。もはや敬意を評する他ない。

ホリエモンが本書で推す本にビジネス書や自己啓発は全然ない。むしろ、伝記物・ノンフィクション・教養・科学、系が最も多い。というより、普通の人が読むような一般的なものばかりなのだ。これから言えるのは、どんな本にも学びはあり、その中には強烈なものも存在すること。
例えば、「JIN - 仁 -」。医者がタイムスリップして江戸時代で医者として活躍する作品。主人公が便利な道具も素材もない時代でいかにして人の命を全うするかというサイエンスフィクション。これを単なる医師ドラマと評することもできるが、ホリエモンは”理系のオタクが世界を変える”という感想に行き着いた。医者も理系であり、人体の構造や病のメカニズムを把握している。類まれな理系の知識を総動員して不自由な時代でも人の命を救うのは、未知に対する煮えたぎる欲求ゆえ。
このように、ただのフィクションでも、見方を変えるだけで特別な1冊になる。全ての本が特別とは言わないが、人がスーパーコンピューターでない以上、未知の世界は存在し、そこから新しく壮大な学びを得られる。小説、歴史書、自伝、なんであれ役立つものが必ず存在する。

読書家ほど本は読んでおらず、もし働くことになれば、周りの人と同じように読書しなくなるかもしれない。だが、知に対する好奇心さえあれば、永遠に本と付き合い続けられるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年3月9日
読了日 : 2019年3月9日
本棚登録日 : 2019年3月9日

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