この作品を読んだきっかけは学生時代の憧れのおりょうちゃん。今でも覚えているけど日本史の授業中にノートに書名と著者名を書いて薦めてくれたのだ。
いつ終わるとも知れず連載されていたこの作品を、社会人になってからハードカバーで買っていたけれど、なかなか置いている書店もなくて(神保町のくせに…)いつ連載が終わったのかも知らなかった。紆余曲折があって、何故か元の版元ではなく、漫画出版社でもない早川文庫から出たのを機にようやく全部そろえて読んでみました。
舞台は恐らく古代日本を思わせる架空の国で、まだ漢字も中国文化も伝わっていない。時期を前後して荻原規子さんの『空色勾玉』とかも書かれていたはずで、古代史ブームみたいなのもあったかなと思う。
ストーリーの壮大さ、絵の繊細さが素晴らしくて、やっぱりあの時期の集英社「ぶーけ」は凄かった、懐が深かった。そういえば、内田善美さんも「ぶーけ」作家だったし。
最終的に、この作品は少女マンガの枠内に収まらないと編集部に悪い意味で判断されてしまって、作家もかなりつらい思いをさせられたらしい。
そんな事情は全くしらなかったけれど、それでもこの物語が完結して、多くの人に認められたことは本当に良かったと思う。
でも、でも言わせてもらうと、『百億の昼と千億の夜』を思わせる終わり方過ぎないだろうか。同じ早川から出ているのだから、編集も作家もわかっているんだろうけど、でもやっぱりなあ。
とても好きだし、最初から最後まで大好きだけど、うーん。うーん。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本のSF
- 感想投稿日 : 2009年11月20日
- 読了日 : 2009年11月18日
- 本棚登録日 : 2009年11月18日
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