広瀬正・小説全集・1 マイナス・ゼロ (集英社文庫)

著者 :
  • 集英社 (2008年7月18日発売)
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本棚登録 : 1762
感想 : 245
5

十数年ぶりの再読です。日本のタイムトラベルSFといったらこれ。ブクログレビュー平均4点超えも当然です。

タイムパラドックスを扱ったアクロバティックでロジカルな物語が楽しめます。かといって全編がっちがちなSFというわけではなくて、むしろ物語の大部分が昭和初期の庶民の生活が描けれた「普通小説」なんですね。でもそのパートがめっぽう読ませるのです。なんと人々が生き生きとしていることか。このノスタルジーこそ本作が愛される理由でしょう。

そして最後は次々と伏線が回収されて、主人公の数奇な人生が「愛の物語」として見事に着地します。素晴らしい!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ◇本:SF
感想投稿日 : 2013年10月22日
読了日 : 2013年10月22日
本棚登録日 : 2013年10月16日

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