物語創世 聖書から〈ハリー・ポッター〉まで、文学の偉大なる力

  • 早川書房 (2019年6月20日発売)
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感想 : 10

物語る技は、文字⇒紙⇒印刷と発明・発達し、生まれる「基礎テキスト」は伝播力を増し、世界は「書かれた世界」として形づくられていくという。「文学」のゆくえにベクトルを与え、秩序だてて見せるのはハーバード大の先生。こう気宇壮大に語るのは、なかなか日本人にはできません。「源氏物語」は紛れもなく日本の「基礎テキスト」ですが、それを世界文学史の講義で紹介して頂くのは有難い。でも、残念ながら「源氏物語」を読み通した日本人は極めて少なく、その価値を海外の人たちに説明できる人はさらに少ないのは恥ずかしい限りです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年1月29日
読了日 : 2021年1月29日
本棚登録日 : 2021年1月29日

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コメント 8件

nejidonさんのコメント
2021/01/30

myjstyleさん(^^♪
ワタクシ、この本を読んだときは「今年一番面白い」と豪語いたしました(笑)
丁寧に読む方なので丸二日かかりましたが、さすがmyjstyleさんは早いですね!
肝心の「源氏物語」ですが、文系の教師でもちゃんと読んだ方は少ないのではないでしょうか。
悲しいかなそれで、自信をもってお薦めもできないというのが現状です。
せめてブク友さんたちには読んでもらいたいですよね。
今読んでいる本をいったん傍らに置いてでも。

myjstyleさんのコメント
2021/01/30

nejidonnさん コメントありがとうございます。

とんでもありません。1日2章、読了まで1週間余りかかりました。しかも、丁寧ではありません。nejidonさんの早くて深い読み込みはいつも感心しています。ただ、これは学術書ではなく、豊かな教養と着想を楽しむエッセイですね。「源氏物語」や「千一夜物語」など深い洞察というより着想勝負です。ただし、仮名の発明を高く評価し「源氏」を仮名を駆使して創り上げた(和歌も含めて)文学と見るのは慧眼です。論旨にぴったりするのは聖書ですね。

私の「源氏」は、キーンさんのプッシュもあって、現代語訳の林望版が底本です。原文挑戦の野心もありましたが、「実事」確認で原文を読んでもさっぱり分からず、引き歌の多さもお手上げです。一方、「源氏」を共感主義で語る向きが多いのは困ります。ディケンズの「クリスマス・キャロル」でスクルージが最後に改心しないと駄作になるのでしょうか。

地球っこさんのコメント
2021/01/30

myjstyleさん、おはようございます♪

おおっ!
この本、読まれたのですねo(>∀<*)o

わたしは、nejidonさんのレビューから気になって、ふふふ……実は今手元にあるのですよ(●`w´●)ニァ

nejidonさんには秘密にして、突然レビューをあげて驚かそうかと思ってたのですが、ついmyjstyleさんのレビューに反応してしまいました 笑

第5章「紫式部と『源氏物語』」を、堪らず先に読んだのですが、myjstyleさんのおかげで『源氏物語』の世界を知り始めたことから、とても面白く、「あ、この状況わかるぞ」と、ワクワクしながら読むことができました。

やっぱり少し知識があったのとなかったのでは、この章を読んだ読後感が違ったと思います。
『源氏物語』の素晴らしさをお薦めしようとするには、まず『源氏物語』を読みとおすことがやっぱり大切だなぁ。
わたしは『源氏物語』を読んでいると途中で、いろんなことが気になったり、教えていただいたりして、いろんな方向へ寄り道をしながらになるので、なかなかゴールにはたどり着けませんが、それがますます『源氏物語』への魅力へと繋がっていってます。
もう『源氏物語』の魅力とか価値とか、本当みんなに知ってほしいし、わたし自身もそれらを語れるようになれるまで学んでいきたいです。

myjstyleさんのコメント
2021/01/30

地球っ子さん 面白〜い♪

nejidonさんをびっくりさせようと企んでいたんですね。
でも、びっくりするのかなぁ。

源氏物語の寄り道はいいんじゃないですか。
仕事じゃないから楽しまないと。
でも、あんまり寄り道が長いと
系図とか細かなエピソードを忘れます。
紫式部は結構周到に伏線を回収するんですよね。
だから、覚えてないとそこが楽しめない。
悔しい!ってなる。

私は林望版を半分くらい読んだところで、
「あさきゆめみし」を並走させました。
ビジュアルがよくわからないから。
あのコミックはしっかり筋を追っているので、
おすすめですよ。

地球っこさんのコメント
2021/01/30

myjstyleさん

ガーンΣ(゚口゚;
nejidonさん、びっくりしないかしら 笑

寄り道、うふふ。そうですよね(*^^*)
つい時間を忘れちゃうので、早めにちゃんと戻らなきゃ。

「あさきゆめみし」は、だいぶん昔に途中まで読みました(マンガでも挫折していたのですね、わたし……)
そうか!「あさきゆめみし」リベンジしてみますね。
「あさきゆめみし」といえば、鬚黒の大将のお髭のイメージが一番残ってます……

nejidonさんのコメント
2021/01/30

myjstyleさん、地球っこさん(^^♪
大ウケしましたがビックリはしませんでした(笑)
地球っこさん、目論見は外れましたね~うふふふ。
そもそもあのレビューはおふたりを誘っているのですよ。今バラしますが。
ほらほら、ここに面白い本があるから来て。というところです。
myjstyleさんが言われる通り、学術書ではありません。
読書エッセイとでもいいましょうか。楽しくて読みやすいです。
源氏物語の考察も、日本人であるワタクシも「!!」となりました。そう、特に仮名と和歌のところね。
海外からこんなに熱い視線を送ってくれているのに、日本人が読まないのはもったいない。
「あさきゆめみし」は読み終わった後塗り絵にしてしまいましたけど(笑)

地球っこさんのコメント
2021/01/30

myjstyleさんのおっしゃるどおりでした……笑
nejidonさんは、びっくりされませんでした。ガーンΣ(゚口゚;

なんとまた、nejidonさんの美味しそうなお料理の匂い……じゃなくて、興味深いレビューに堪らずふらふら~と誘われちゃいました。

読書エッセイ、たしかに楽しく読みやすかったです(まだ『源氏物語』の章だけですが)
まず面白くて、ばぁーと読んでしまったので、これからじっくり読んでみます。

本の感じだけで、「難しそう」と読まず嫌いしていたら勿体無い本ですね(*^^*)

myjstyleさんのコメント
2021/01/30

そうです。
まだ1月なのに、nejidonさんが今年一番とかいわれると、ほおっておけませんよ。

2019年にクルレンティスの来日公演を聴いた時、あまりに感動して、
まだ、2月だったというのに今年一番のライブだと思ったのを思い出しました。

誘われてしまったのですね。(笑)

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