序盤に3つの不可解な死亡事故(事件?)が発生し、刑事、大学教授、映画関係者、そして神秘的な雰囲気の女性など、一見つながりがなさそうな人物たちが次々と登場する。そんな人々が徐々に近寄り、最終局面を迎える、という興味津々の展開だ。主人公は「魔女」だろうが、登場人物それぞれが主人公として語る章も設けられている。だからこそ超能力と科学との整合性や、人の先天的な「個性」、巨大権力に握りつぶされる「真実」が、より印象付けられるのだろう。
2015年発売の単行本。ほぼ10年前の景色だが、主人公たちの予知に関する記述には、どうしても昨今の「AI」が思い浮かんでしまう。人為的に手を施すという倫理観、当時の未来である現在が少しも明るくないことを思うと、著者自身未来を考えて執筆しているのでは?などと思えてくる。
さて、これから続編を読むことにしよう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本作家は行
- 感想投稿日 : 2024年2月25日
- 読了日 : 2024年2月25日
- 本棚登録日 : 2024年2月25日
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