台湾生まれ 日本語育ち

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本棚登録 : 229
レビュー : 22
著者 :
yumecoさん アジアの文学   読み終わった 

中国語を勉強する者として、また台湾に興味がある者として興味深く読ませてもらった。自分は中国語を外国語として学んでいるので、ただ先生の言われるまま真似して、直して、目の前にあるリンゴは「pingguo」(ピングォ:かな表記をするとこれが近いかな)などと覚えるだけだった。しかし著者は台湾人として中国語を学ぶ、という、自分には想像の及ばない体験をしている。

著者は台湾で生まれ、物心つく頃には東京にいて、日本の学校に通学。日本語での生活である。家では著者言うところの「ママ語」をきき、外では日本語、という状況。この「ママ語」の説明が興味深い。台湾語、北京語、そして日本語が混合した使い方で、お母さん自身が正しい言葉遣いができていないという劣等感を抱いていたとのこと。同じ親として切ない思いだ。学校での外国語学習では正誤がついて回る。そうでないと授業は進まないしテストもできない。しかし日常で使う言葉は、テストの基準とは別物であることを、ここでは教えられる。著者の「ママ語」に対する愛情の深さに、心がなごんだ。

上記のような言葉に対する探究心を示す文章に加え、台湾の歴史事情にも踏み込んでおり、台湾に幾度か行ったことのある者としてさらに知りたい気持ちが高まった。

ところで、少し気になるのは、アイデンティティーに関する記述が重複している(言葉を変えて同内容のことを言っている)ことだ。今後小説として作品を創り続けるなら、この素材を全く使わない方法も必要だと思った。(えらそうにすみません)

もっと書きたいことはあるが、とりとめがつかなくなりそうなのでこの辺で。

レビュー投稿日
2016年8月10日
読了日
2016年8月9日
本棚登録日
2016年8月9日
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