自分とは全く縁のない世界をのぞくような気持で手に取った。ざっくり言えば国家公務員として霞が関で働く筆者によるお仕事紹介本。でもその内容はあまりにもブラックで、紹介というよりは実情を訴える目的をひしひしと感じた。
語り口が軽妙で、時には「鬼滅の刃」や「プロ野球」を例に挙げて組織を説明しており、サクサク読める。国家公務員が登場する映画やドラマが引き合いに出されると興味がわく。ところが国会会期中の激務と体調不良が切々と語られると引いてしまった。興味を持たせる部分と切実な訴えがバランスよく配され「霞が関物語」という感じだ。
執筆時期がコロナ禍の只中とのことで、そうした状況下の苦労もうかがわれる。働き方改革が叫ばれる昨今でも国家公務員には全く当てはまらないということが理解できた。テレビをつけたら偶然国会の様子が映し出されていた。普段はほとんど気にしない議員の後ろの人々が目に入り、答弁に聞き入ってしまった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
社会科学
- 感想投稿日 : 2024年12月5日
- 読了日 : 2024年12月5日
- 本棚登録日 : 2024年12月5日
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