僧侶の体験談で出来上がっているお話。各章は僧侶の語りで始まります。流れるような文体で蛇や蛭の話が語られるとほんとうにゾクゾクしてきます。そして艶めかしい女の誘惑…。僧侶だからいろに負けてはならぬ、と思いながらも泥沼にズブズブはまっていく様子が恐ろしい。
途中、音読してみたらとても気持ちよく、文章の美しさが身に沁みました。初めての、しかも慣れない文語調なのにつっかえずに読めるのは、文章の秀逸さによるのでしょうね。私ごときが言うのもおこがましいのですけどね。
僧侶が今こうして若者に語っているので無事逃げ帰れたのだと安心。でも待てよ、まさかこの僧侶…と若者が心配になったのは私だけ?
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本作家あ行
- 感想投稿日 : 2020年11月10日
- 読了日 : 2020年11月10日
- 本棚登録日 : 2020年11月10日
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