D・M・ディヴァインの『ウォリス家の殺人』を読了。
本作を読む前「ディヴァインの作品は初めてだ」とツイートしたら、フォロワーさんから「ディヴァインは安定した面白さがある」という風なリプライが。読んでみて、なるほど、お手本的な作品だったと思う。
至って本格ミステリ。驚愕するようなトリックなどは使われていないのだが、ミスリードが上手い。ごく自然な会話の中に、罠が仕掛けられている。
さらに、犯人がかなり意外だった。推理小説などで最初に疑われる人物はだいたいは犯人ではない、というのがほぼ通例だと思うが、本作も例に漏れずだった。そうとは言え、犯人は登場人物中でもかなり意外だった。もしやと考えなかったわけではないが、それにしては動機が全く思い当たらなかったからである。最後まで読んでよく分かった。
読みやすさもある。これに関しては翻訳者次第だが、本作を手がけた中村有希という方はいい訳をされていると思った。本編とは関係のないことではあるが、この点も評価したい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
D.M.ディヴァイン
- 感想投稿日 : 2014年10月29日
- 読了日 : 2014年10月19日
- 本棚登録日 : 2014年10月19日
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