本当に久しぶりに五木寛之でも読もうかな、と。まったく穏やかで明快な語り口調の中に様々な自分の考えを詰め込むということの達人の文章で、素直に受け入れることができる。いわゆる「人生論」的な本は胡散臭いものばかりでまったく信用していないけれど、この人の言葉なら信用できる、そういう感じがする。色々な角度から「ヒント」を少しだけ与えてくれる本ですが、私が印象に残っているのは、「歓ぶ」、「惑う」、「喋る」かなあ。どれも、あまり自分が考えたことのない視点を与えてくれると思います。ちなみに、私は五木寛之が生きるということを苦しく険しい道のりであるということを根本条件にしているのを今回初めて知った。読んだのが昔すぎてあまり覚えていなかったのだけれど、そういうイメージはなかったです。どちらかと言えばもっとポジティブなイメージ。きちんと根本があった上でのほんの些細な示唆という謙虚さに頭が下がる。いい本だと思ったので、続きシリーズも今度読みます。そして、三木清も。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本小説
- 感想投稿日 : 2013年2月19日
- 読了日 : 2013年2月19日
- 本棚登録日 : 2013年2月19日
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