世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド〈上〉 (新潮文庫)

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本棚登録 : 11160
レビュー : 1079
著者 :
つさん 日本小説   読み終わった 

わたしの中で、今回この本を読むにあたってのテーマは原点回帰。村上春樹の世界にどっぷり浸かって、自分を取り戻し、自分が本当にしたい読書をする。それだけ。
村上春樹の2層構造の物語の始まりはこの本からですが、なんていうか、本当に、劇的な書き方だとやはり感じる。書きたいものを表現するにはこの形が一番良かったのだとは思うけれど、並々ならぬ小説だなあ、と。二層構造の小説なんて、書こうと思えば誰でも書けるし、現にそんな小説ごろごろ転がっているじゃないか、と言われるかもしれないが、この脈絡のなさと物語が秘めるパワーというか躍動感のようなもの(この辺は小説を読む勘、みたいなものの働きかもしれないけれど)は中々どこにでもあるような陳腐なものではないように感じます。この時期になると文章としてもだいぶ安定して、のびのびとした印象を受ける。現在近くのような洗練、とまではいかないけれど、書きたいことを十二分に書いているのびやかさ、ユーモアのセンス、”村上春樹の物語”をシンプルに分かりやすく表現するとこの本だな、と思う。どこから、どんなところから、この発想が生まれるのか、と聞きたくなるくらいの脈絡のなさだけれど、すべては井戸の奥深くに潜った結果なのだとおもうと、なにかしらの意味を追い求めたくなるけれど、この人の本を読むということはそういうことではないのかもしれない。
形式的なことはこのくらいにします。内容については下巻まで読んでから一気に振り返る。

レビュー投稿日
2012年10月9日
読了日
2012年10月9日
本棚登録日
2012年10月9日
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