孤児とその母親と生前付き合いのあった詐欺師の、疑似親子のような関係が可笑しいロードムービー。山場がいくつかあるんだけども、近年の映画のような押し付けがましく過剰な演出はせず、淡々と進むが強く引き込まれていった。子役の女の子が、道中訪れる貧しい家族に自分の境遇とを重ね合わせ、聖書をタダであげるが詐欺師も文句を言えないというシーンは、切ないんだけど笑ってしまう。可笑しいんだけど、どこか悲しい。その感じが全編を一貫して漂っている。舞台が1930年代のアメリカで、本当に古い映画だと思っていたが、70年代前半に撮られた映画だったので驚いた。製作秘話において、監督ならびに製作スタッフの相当なこだわりようが伺い知れる。白黒のコントラストを強めるための赤色フィルター、奥までピントが合っている映像、長回しのカット等々、言われるまで気付かなかったが、なるほど、どれもこれも映画に良い効果をもたらしている。文句のつけどころのない完璧な映画だった。///映画のタイトルの元ネタになっている1930年代の流行歌が内容とリンクしていて深い感動を覚えた。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2008年3月24日
- 読了日 : 2008年3月24日
- 本棚登録日 : 2008年3月24日
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