山頭火句集 (ちくま文庫)

著者 :
制作 : 村上護 
  • 筑摩書房 (1996年12月1日発売)
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本棚登録 : 377
感想 : 39

【小池博明先生】
国語で習った俳句の中で、何か覚えているものがありますか?
  うしろすがたのしぐれてゆくか
この句が印象的だった、という人もいるのではないでしょうか? なんといっても、俳句なのに五・七・五ではありません。「うしろすがた」は作者の後ろ姿でしょうが、それでは作者はどこにいるのでしょう?そして、そこには冷たい時雨が降っています。「しぐれているか」ではなく、「しぐれてゆくか」というところもビミョウです。しかも、すべてひらがなです。
この句の作者、種田山頭(たねださんとう)火(か)は、こうした不思議な魅力をもった俳句を作りました。実は、この句には「自嘲」という前書がついています。山頭火は自意識の強い人で、苦労の多い人生を送ったようです。私は、山頭火の句を読むとほっと一息つくことができます。
少し人生にくたびれたなと思ったら、この句集をひもといてみてはいかがでしょうか。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 教員お薦めの本
感想投稿日 : 2019年5月6日
本棚登録日 : 2019年5月6日

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