手袋の中の手 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ1786) (ハヤカワ・ミステリ 1786)

  • 早川書房 (2006年4月6日発売)
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本棚登録 : 21
感想 : 3
4

元祖女性探偵、ドル・ボナー嬢の名推理、だそうです。<BR>
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裕福で美貌のシルヴィアは、伯父のストーズから、友人のドル・ボナーと共に始めた探偵事務所の共同経営から手を引くように求められていた。一方、シルヴィアの婚約者マーティンの農場では小動物が相次いで殺され、ドルはその捜査に乗り出していた。共同経営の解消を覚悟したドルに、伯父のストーズが依頼を持ち込んだ。彼の屋敷に乗り込んで、妻に取り入っている宗教家の尻尾を捕まえ追放して欲しいと言うのだ。早速屋敷を訪れたドルは、依頼人が無残にもワイヤーで宙釣りにされているのを見つける。犯人は屋敷内の人間に違いない。地元警察を向こうに回して、ドルの推理が冴え渡る・・・<BR>
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これは1937年の作品。ネロ・ウルフとはまるでタイプの違う女性探偵が溌剌とした活躍をします。<BR>
で、このドル、現在の女性探偵の持ってる特性のいくつか・・・・男嫌い、権力嫌い、負けず嫌い、独立心の強さ・・・・をはっきり持ってて、なかなか好感が持てます。シチュエーションやストーリーは古典的で、ああ、クリスティと同時代人だなあ、と言う感じなんですが、ヒロインのキャラクターは古めかしくなく、殺人の動機も納得できるものでした。<BR>
これは日本初訳らしいのですが、どうしてこれまで訳されなかったのか、不思議。<BR>
女探偵好きの私としては、なかなか面白かったですよ。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: mistery ( heroin )
感想投稿日 : 2006年10月26日
本棚登録日 : 2006年10月26日

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