幼稚園の遠足で、私たちが出会ったのは、先生に近づいてはいけないと言われていた池に頭まで浸かっていた女の子。幼すぎて怖さはなく、幼稚園の園庭にも顔を見せるようになったその子を皆は「久美ちゃん」と呼ぶように。
大人には見えない「久美ちゃん」は、その後も私の前に現れては消えた。そして、それは私が大人になってからも……。
表題作ほか、6編のホラー短編集。物の怪の怖さというより、人間の業の怖さというところか。どれも意外性があって、驚かされる。印象的だったのは、書きおろしの『狼魄ラン・ポオー』。誰かの命を奪うことのできる呪具を手に入れることができたとしたら、あなたは、どうしますか?
読書状況:読み終わった
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ア行の作家
- 感想投稿日 : 2020年9月9日
- 読了日 : 2020年9月5日
- 本棚登録日 : 2020年9月9日
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