Black Box

著者 :
  • 文藝春秋 (2017年10月18日発売)
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元TBSテレビ報道局ワシントン支局長、ジャーナリスト山口敬之氏は、二回会っただけの詩織さんを「ビザの件で」と呼び出し、二件付き合わせ、おそらく彼女の酒に薬を入れ、ホテルに連れ込みレイプした。

会見を見、山口氏の本を読んで、「彼はそこまで悪い人には思えない」と私。
彼女の悪い噂なども入ってくるし。

でもこの本を読んで、この事件が事実であると確信しました。
悪い噂の多くはデマ。
詩織さんは正しく、山口は絶対に罰せられるべき。

また中村格刑事部長(当時)、逃げていないで真実を話すべきです。
中村氏に「私が山口氏を逮捕させなかった」と認めさせた、週刊新潮は素晴らしい!

ただ、レイプされただけでも傷ついている女性が、ここまで顔をさらして真実をさらすのは、並大抵のことではありません。
会見で堂々として見えたけど、相当なストレスにやられているのがよくわかりました。
それはそうでしょう。

でも詩織さん、あなたに勇気をもらいました。

「レイプはどの国でも、どんな組織でも起こり得る。組織は権力を持つ犯罪者を守り、「事実」は歪められる。キャリーさん(上司にレイプされ命を絶った女性)の身に起こったことは、決して珍しいことではない。
今までに一体、何人の人が、心を押し潰されたまま生きることを強いられたのだろう。
一体何人の人たちが、彼女と同じように命を絶ったのだろう。
事件後、私も同じ選択をしようとしたことが、何度となくあった。自分の内側がすでに殺されてしまったような気がしていた。
どんなに努力しても、戻りたくても、もう昔の自分には戻れず、残された抜け殻だけで生きていた。
しかし、死ぬなら、変えなければいけないと感じている問題点と死ぬ気で向き合って、すべてやり切って、自分の命を使い切ってからでも遅くはない。この(キャリーさんの)写真に出会って、伝えることの重要さを再確認し、そう思いとどまった。
キャリーさんの口からは、もう何も語られることはない。だが、一人のフォトジャーナリストのカメラを通して、彼女は強いメッセージを残した。私にはまだ話せる口があり、この写真の前に立てる体がある。だから、このままで終わらせては絶対にいけない。
私自身が声を挙げよう。それしか道はないのだ。伝えることが仕事なのだ。沈黙しては、この犯罪を容認してしまうことになる。」

私ももう一度頑張る。決心しました。(レイプではないです)

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&id=4906919&from=home

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆随筆・評論・対談・鼎談☆
感想投稿日 : 2018年4月8日
読了日 : 2017年12月17日
本棚登録日 : 2017年12月17日

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