大日本史 (文春新書)

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凪紗さん 池上・出口・佐藤   読み終わった 

佐藤さんの今回のお相手は1947年生まれ13歳上の歴史学者山内昌之さん。
幕末から太平洋戦争までの近代日本の歩みに軸を置きつつ、そこから同時代世界の激動を視野に収め、さらには近代以前の長いこの国の歴史とも照らしながら、議論を重ねていきます。

佐藤さんの対談本はいくつか読んできましたが、今回は特にお相手への尊敬や信頼が伝わってくる気がしました。
その理由はあとがきを読んでわかりました。

また、やはり元外務省という経験がとても影響しています。
佐藤さんはご自分が入省してみて「彼らの中には、日本の国体を守ってきたのは外務省であるという強い意識がある」と知ったそうです。

「憲法をはじめとする国内法において、最終的な有権解釈をしてきたのは、内閣法制局長官です。それに対して、国際法に関しては、外務省の条約局長(いまは国際法局長)がその役を担う。憲法と日米安保条約がぶつかったときには、条約が上である。日本という国家の在り方を定めているのは、憲法ではなく、日米安保条約で、その解釈権はわれわれにあるー。これが外務省の論理なのです。」

外務省のいう「アメリカン・スクール」は、英語を話すから、あるいは英米に勤務したから、というわけではない。
アメリカン・スクールというのは条約局(現在の国際法局)に勤務した者のこと。条約局で日米安保条約を担当したことがある人間が外務省の主流派で、それが揺らぐことはない。歴代の事務次官をみても例外はない。

「こう考えていくと、なぜ宮内庁に外務省出身者があれだけ多いのかも説明できます。それは外務省が「国体保持」に関わる官庁だからですよ。」

そうだったのですね。

レビュー投稿日
2018年3月17日
読了日
2018年3月17日
本棚登録日
2018年3月17日
3
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