- Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492762516
作品紹介・あらすじ
AI社会になって、ボクは職を失わないだろうか?
文系のワタシが、AIでキャリアアップするには?
そんな不安や疑問を解消するのが本書です。
英数国理社×AI時代に対応した、AI活用の現場から生まれた実践トレーニング本。
・専門用語は必要最低限に
・豊富な業種別事例は「自社での活用」を考えるヒントに。
・AIとの「共働きスキル」を身につける。
AIを活用したビジネスプランを豊富に紹介。本書は、AIを、機能別に4分類、役割別に2分類し、合計4×2=8分類にわけている。その分類を用いて、事例を解説しているので、非常に理解しやすく、自分の仕事への適用・応用を検討しやすい。AIとお共働きスキルを身につけよう。
感想・レビュー・書評
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【感想】
友人から、「これからの時代、英語スキルよりもITスキルを持っている人間が重宝されるんだぜ!!」と言われ、妙に納得しました。
その友人曰く、これからの時代はテクノロジーの発達により様々な生活がガラっと入れ替わり、その変化の波についてこれないビジネスパーソンはどんどん駆逐されていくとのこと。
僕は30代前半の割にかなりのアナログ人間ですので、こりゃマズイとばかりに本書を手に取りました。
本書は、下記の3段論法でまとめられています。
・AIによって、近い症例私たちが想像していることの大半が実現可能になる。
・AIによって今の仕事がどんどん取って代わられ、「AI失職」のリスクが生じる。
・「AI失職」を恐れて身動きを取れないようにならず、AI職に就く準備をしましょう。
また、本書の要点として、『これからの本格的なAI社会において「AIを作る専門家」だけでなく、AIをよく理解し、「AIを的確に使いこなす人材」が重要になってくる』というニュアンスの箇所が沢山見られました。
実際AIをサービスに取り入れている企業の説明なども入っていて、「こんなにも発展しているんだ、スゴイな」と読んでいて目を丸くする箇所もしばしばございました。
ただ、これはあくまで僕個人の意見ですが、AIに仕事が取って代わられるのはまだまだ遠い未来の気がしてなりません。
これまでにも過去に何度か「AIブーム」というものが起こっていて、結局はその時々のテクノロジー不足によって、発展しきらなかったとか・・・
勿論現代はテクノロジーの発達もあるのでかなり現実的にはなってきているのでしょうが、今回もまた同じように何らかの壁にぶち当たって終息しちゃいそうだなと思っています。
そもそも、世間で「AIの時代がもうすぐそこに来ている!」と言わんばかりに熱狂しておりますが、私はそこに温度差を感じてなりません。
というのも、上記の通り、「そもそもそこまで実現が近くないのでは?」と思ってしまうからです。
Amazonの「アレクサ」をはじめ、確かにAIがより身近になってきたなと足音を感じますが、実際ホワイトカラーの仕事をAI任せにするのにどれだけのビッグデータが必要なんだろうかと疑問に思います。
また、これは内田和成著の「右脳思考」を読んでいても思ったのですが、左脳的なアクションしか起こせないAIでは対人のコミュニケーションに限界があるため、どこかで仕事の推進にSTOPがかかるのではないでしょうか?
細部まで考えると、「AI失職」というのはまだまだ先の課題なんだろうな~と思いました。
とは言え、AIに限らず、様々な新しいテクノロジーを毛嫌いせずに受け入れていく柔軟性はビジネスパーソンにとって必須の心構えですよね。
結局は、現状維持ではなく学んでいくことが大切なのでしょう。(そういう意味では、どんなスキルも賞味期限は存在するのかもしれませんね・・・)
僕自身、これからもしっかり勉強時間を設け、学習によって「自分というOSのアップロード」を今後とも切らす事なくしっかり行なっていこうと思いました!
【内容まとめ】
1.「想像できることは実現する。」
AIは、私たちが想像していることの大半が、今後実現可能になってくる。
1番リスクが高いのは、AI失職を恐れ今の仕事に執着しすぎて身動きが取れなくなること。
そこを素直に受け入れた上で、どう柔軟に動き出すか?
2.AI、機械学習、ディープラーニングの3大分類
AIが広義で、その中に「機械学習」が含まれ、機械学習の一つとして「ディープラーニング」がある。
「ディープラーニング」が特別な存在であったから機械学習が脚光を浴び、AIが発展した。
3.活用タイプAIは機能別4タイプ×役割別2タイプ=8分類
・機能別4タイプ
①識別系AI「見て認識する」
②予測系AI「考えて予測する」
③会話系AI「会話する」
④実行系AI「身体、物体を動かす」
・役割別2タイプ
①代行型「人間が出来ることを代行する」
②拡張型「人間が出来ないことをAIがする」
4.AIは「作る」から「使う」へ。
AIは作れなくても使えれば良い。
AIを「作る」→「使う」にシフトチェンジしていき、文系が得意とする領域となってくるので、今後は「文系AI人材」の仕事が大量に発生する!
【引用】
文系AI人材になる
「想像できることは実現する。」
AIは、私たちが想像していることの大半が、今後実現可能になってくるのです。
AI社会になって職を失わないだろうか?
文系がAI人材になるために何からすれば良いの?
そんな不安や疑問を解消するのが本書です。
p24
・AI失職を恐れず、AI職に就く準備を。
AI失職は、変えようのない事実である。
1番リスクが高いのは、AI失職を恐れ今の仕事に執着しすぎて身動きが取れなくなること。
そこを素直に受け入れた上で、どう柔軟に動き出すか?
p48
・AIは「作る」から「使う」へ。
AIは作れなくても使えれば良い。
AIを「作る」→「使う」にシフトチェンジしていき、文系が得意とする領域となってくるので、今後は「文系AI人材」の仕事が大量に発生する!
p78
・AIの基本はAI分類、AI基礎用語らAIの仕組みの3つ
・AI分類
→AI、機械学習、ディープラーニングの3大分類
→学習方式の3分類
→活用タイプ別の8分類
p80★
・AI、機械学習、ディープラーニングの3大分類
AIが広義で、その中に「機械学習」が含まれ、機械学習の一つとして「ディープラーニング」がある。
「ディープラーニング」が特別な存在であったから機械学習が脚光を浴び、AIが発展した。
AIとは?
→人間と同様の知能を実現させようとする技術。
機械学習とは?
→AIの一種で、学習により特定のタスクを実行できるようになるAI。
ディープラーニングとは?
→機械学習の一種で、人間の脳の神経細胞「ニューロン」を模した学習法。
p96
・活用タイプAIは機能別4タイプ×役割別2タイプ=8分類
機能別4タイプ
1.識別系AI「見て認識する」
2.予測系AI「考えて予測する」
3.会話系AI「会話する」
4.実行系AI「身体、物体を動かす」
役割別2タイプ
1.代行型「人間が出来ることを代行する」
2.拡張型「人間が出来ないことをAIがする」
p118
・AI用語①「学習と予測」
学習とは、AIに法則性を教えること。
予測とは、作ったAIモデルにより未来・未知のよのを当てること。
p128
・AI用語②「ニューラルネットワーク」
ディープラーニングのベースとなる仕組みで、人間の脳の神経細胞「ニューロン」を模して作ったもの。
入力層、隠れ層、出力層に分かれていて、学習を繰り返すことで情報の重要性を加味しながら伝達していく。
p237
・AI事例「LOHACO チャットボット マナミさん」
Siriみたいなシステム。
入力された質問から回答を選び出す仕組みで、その回答の正解率は92%!
対応時間外や深夜帯も対応しているため、従業員の作業時間を減らしている。
p254
・AI事例「富士通、AIによる記事の自動要約システム」
記事全文から短文への要約を行なう自動要約AIを開発。ディープラーニングを活用し、単語の削除、語順の変更、言い換えを学習して、要約記事を作成する!
p325
・AIによる「消費者」への変化
→AIが「執事」になる。
→AIが家の中を制御し、快適に暮らせるようになる
→AIが自分に適した商品をECカートに入れてくれる
→人間が対話する相手の約半分がAIになる
暮らし、情報取得、買い物、移動や対人コミュニケーションでさえ、AIは大きな変化を生み出す。
p328
・AIによる「働き手」への変化
ホワイトカラー
→業務の多くが「AI管理業務」に。
→メール対応はAIによる自動返答
→営業電話はAI音声で代行
→書類チェックは上司でなくAIが済ませる
→数値管理や着地予測はAIが代行する
ブルーカラー
→そもそもAIとロボットによって「仕事が激減」する
→AIの指示に沿って作業する、または共同作業が大半に
→AI搭載ロボットのメンテナンス
p340
・総括
これからの本格的なAI社会では、「AIを作る専門家」だけでなく、AIをよく理解し、「AIを的確に使いこなす人材」も重要なポジションを担うことになります。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
【感想】
本書は数式や記号を一切使用してない、まさにコテコテの文系に向けられた解説本である。AIの機能やAI用語といった基礎知識の解説が充実しており、コードを知らない、プログラミングや数学はお手上げ、といった文系人材であっても、本書を読めばAIの重要性を一から学ぶことができるだろう。
2021年現在、Bubble、Shopifyなどの「ノーコード開発サービス」が盛り上がりを見せはじめている。難しいソースコード画面とにらめっこしなくても、型を組み合わせていけばアプリを作ることができてしまう。ここまで来るとプログラムというよりもパズルのようだ。
しかし、ノーコードでは当然「用意された金型しか使えない」ということが起こる。簡単がゆえに拡張性は低く、複雑なサービスを作るには自前でプログラムを組む必要が生じる。
しかし、そうした「簡単なサービスを作る」ときこそ、AI人材の役割が重要になってくるのだ。
本書が示したとおり、AI人材がAIを活用するうえでは、「AIで何をしたいか」「誰のためのAIか」といった5W1Hを意識する必要がある。実装項目よりも目的を考えるのが先決だ。そのあとにやりたいこととできることをすり合わせ、必要な機能とそうでない機能を取捨選択していく。
文系AI人材というのは、言い換えれば「目的に対してAIを最適化するエキスパート」と言えるだろう。不必要にAIを拡張させるのではなく、必要な要素に、ピンポイントで届くAIを考案する。重厚長大なサービスをひとつぶち上げるのではなく、個々のサービスを軽度なAIが補完するように設計していく。
シンプルなAIをどこへでも素早く。これが「AIがエクセルのように当たり前になる世界」のテーマであり、その役割を担うのは文系人材だ。
【本書のまとめ】
1 AIと人間の仕事
人間とAIが共同でする仕事は、次の5つに分けられる。
①人だけで仕事をする
②人の仕事をAIが補助する
③人の仕事(不得意なこと、できないこと)をAIが拡張する
④AIの仕事(得意なこと)を人が補助する
⑤AIだけで仕事をする=人の仕事をAIが完全に代行する
こうした「人間とAIの共働き」をうまくコントロールするのが「AI職」の役割。
2 AIは「作る」から「使う」へ
AIを「作る」側の教育環境が充実してきた一方で、AIを「使う」側の教育環境や、人材キャリアをフォローアップする環境はまだまだ整っていない。
ただし、熟練レベルのAIエンジニアやデータサイエンティストがいなくても、AIはカジュアルに作れるものである。
スクラッチ(ゼロから)でAIを作る代わりに、次の3つの選択肢がある。
①コードベースのAI構築環境で作る
②GUIベースのAI構築環境で作る
③構築済みAIサービスを使う
AIは「作る」側から「使う」側にシフトし始めた。AIを作るのか、作るならどこまでカスタマイズするのか、あるいは、自らは作らずに、すでに作られたAIを使うのかを判断する能力が非常に重要となってきている。
文系AI職は、理系AI人材がやる仕事(システムの構築)以外の仕事を全てやるようになる。
3 AIの分類
●学習の種類による分類
(1)教師あり学習→答えアリ学習
・分類:いくつかの答え(選択肢)に対して、どれに適応するかどうか当てる。画像分類、YES/NO判断。
・回帰:数値を当てに行く。人間の年齢や、車の走行距離、データをもとに店の売り上げを当てる。
(2)教師なし学習→答え無し学習
・クラスタリング:AIの解釈によって集合を作る。
(3)強化学習
→結果としてのあるべき状態を目指して、適切な選択を何度も繰り返し、報酬と罰を与えながら学習することで最終的にもっともよい状態を作ろうとする。
●AIの機能による分類
①識別系AI「見て認識する」→画像認識AI、音声認識AI
②予測系AI「考えて予測する」→需要予測AI、異常検出AI
③会話系AI「会話する」→チャットAI、翻訳AI
④実行系AI「身体を動かす」→自動運転AI、マシン制御AI
●AIの役割による分類
①代行型:人間ができることをAIが代わりに行う
②拡張型:人間ができないことをAIによってできるようにする
前述の機能分類と合わせて、8パターンのAIができあがる。
4 AIを使いこなすために
AIをよく知ることによって、AIはなんでもできると過大評価をすることが少なくなる。
一方で、AIの基本知識や作り方、事例の情報を十分に取り込むことによって、知っている範囲内だけで思考し、AI活用のアイデアを小振りなものに留めてしまうことは避けなければならない。
AIを企画するにあたって、5W1Hを意識する。それは、
・WHEN:いつまでにどう用意する?
→いつまでに企画、データ作成、学習を行うか?
AIの要件を定義するとともにサービス開始までの時間とリソースを勘案し、構築済みのAIサービスを使うか、自前で用意するかを考える。
・WHO:誰のためのAI?
→顧客?取引先?従業員?
具体的なターゲット像を思い描く。AIを入れることを目的としない
・HOW:どう分業する?
補助か拡張か代行か?
・WHY:なぜAIが必要?
マイナスを減らす(不満、不便、コスト、作業時間を減らす)
プラスを増やす(満足、便利、売り上げ、付加価値を増やす)
・WHAT:どんなAI?
AIができることと、AIによって解決されることは何かを考える
・WHICH:どのタイプのAI?
識別系AI・予測系AI・会話系AI・実行系AI
×
代行型・拡張型
さまざまな可能性をもつAIは、私たちが属する社会を大きく変えていく。具体的には、消費者、会社、働き手に対して大きな変化を起こしていく。
文系AIの役割は、AIのことを理解し、的確に「AIを使う」こと。AIを使う側に立ち、これからのAI社会を引っ張っていこう。 -
事例が多い
AIの区分が分かりやすい -
タイトル通り文系の人にとっては読みやすくていいかも?
自分はAI業界ど真ん中にいるのでサッと読めてしまいました。 -
AI関連の実践的な本としてかなり分かりやすいしためになる。
いわゆる文系でない方にもお勧めできる本。 -
AIを概念的に理解し、活用事例から学び、AIを使いこなせる人材になるための指南書的な本。仕事場にAI技術を使ったツールが登場したときに困らないように準備ができる。本書を読み、最新の動向も確認しておくと良いのだろう。
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文系と理系と二分化して、すべてを論じるのは好きではないが、プログラミングやITリテラシーが低い(苦手)な人でも、誰でも理解できるというニュアンスを込めた「文系AI人材」ということのようです。
実際、ビジネスにおける商品・サービスの企画でも、具体的な作業や実務はできない(または委託)したとしても、その内容や意味を理解していれば、仕事の発注と成果物は受け取れるわけで、そういう意味でAIを活用できる人になりましょうね、ということを解説した本。
例えば、モノづくり系の人で、プログラミングなんてよー知らんという方には、とても分かりやすいのではないでしょうか。
人手が足りない部署等で、効率化・生産性向上のために、●●の作業が自動化できたらいいのに、というニーズを感じている人が、”理系AI人材(≒プログラマーやデータサイエンティスト)”に仕事を頼む、といった状況で本書は役に立つと思います。
業界別のAI活用事例も○です。 -
これは面白かった。持つべき視点がわかりやすくまとめてあった。現代のAIが何物かが、普段触れていない人でも理解できる内容。
これから必要な人々は、文系AI人材というか、非ITパーソン人材のAI人材化とも呼ぶべきか。ただし近い将来、誰もがエクセルを使うレベルで業務にAIがプラグインされ、活用される日が来る。そんな日が来れば、一般ビジネスパーソンのほとんどは取り立てて勉強せずとも、スマホをいじるようにAIを活用しているのかも。この本を読んでそんな風にも思った。 -
非常に具体的な内容だった。文系人材に必要なAIの知識が網羅的に記載があったが、そもそもデータサイエンティストやエンジニアをリードするための根本的なビジネススキルが無いと知識としてAIのことを知っても役に立たない人材だなと感じた。
流行りに踊らされてAIの知識を中途半端に付けるくらいなら、自身の強みをビジネス領域で伸ばすのが最初という気づきがあった?