読書状況 読み終わった [2019年4月19日]

シリーズ作品をかつて読んだ教訓から心して電車で開いたものの1ページしか持ち堪えなかった。フッ、と笑いがはみでてしまいました。
(1ページというのはレトリックでなく歴とした事実)

自虐系駄目主人公は、私の場合、はじめは面白くても途中から飽きてハイハイもういいからとなるパターンが少なくないのですが、クワコーは全くそれがありません。駄目感が高まれば高まる程わくわくして、むしろどこまでいってくれるかテンションが上がる。稀有な主人公です。
そのへんの不思議については、有栖川さんの解説を読んでとても納得がいきました。

黄色い水着の謎は、解決のポイントが私には完全に盲点だったので、ナルホドヤラレターと愉しかったです。

あー面白かった。

2019年4月10日

読書状況 読み終わった [2019年4月10日]
読書状況 読み終わった [2019年4月4日]
読書状況 読み終わった [2019年4月3日]
読書状況 読み終わった [2019年3月31日]

読書状況 読み終わった [2019年3月19日]
読書状況 読み終わった [2019年3月18日]

二編とも読んだ後では、「無限の玄」はよほど受け入れやすい作品だったと感じています。
「玄」は男ばかりの作品。
死んだ父親が毎日生き返るという設定は、奇妙です。が、ゆえにそそられるし、バンド一家の独特の世界は面白く各々の感情や行動にも心が動かされ、興味深く読むことが出来ました。

対して「朱」は女ばかりの作品。
読み始めてすぐは、野球小説・青春小説なのかなと、単純な好みの問題から個人的には興を削がれました。
と、完全に油断したところを、完膚無きまでに打ちのめされました。
爽やかかと思われた話はまったく別の場所を目掛けて転がっていきます。侑希美が母親のことを話した時は衝撃を受け、ソフト部の部員へしたことへは混乱し、しかし結局、化石の件になると我知らず泣いていました。
ああそうか、ああいう美しいものを美しいと感じるのは、こういうことか、と。
一連の揺さぶられ方は、自分の性別のせいに他ならないでしょう。
多くの女性が反感を抱かれるかもしれませんが、私はいつもいつも、女とはなんて汚いのだろうと感じています。薬を飲まなければまっすぐ立つことさえ難しい痛みも貧血症状も、むしろ汚さを誤魔化す柔らかなめくらましかと思うくらいです。
仕方がないと無視していたそれを、病だと指摘されて動揺したのです。
まったき事実上の性を突きつけられ、それが概念の女性性に拡張され、おまえはどのように対峙しているのか問われても、返答出来なかったのです。

女性がロマンと言うならば、それは手の届かないものへの羨望だという気がします。
地下深くに眠る化石や、夜空にただ在る惑星や、私はそういう美しいものに憧れる。
己がなれない運命なら、せめて指先で触れることを赦して欲しいと願うほどに、私は女性だ。
そうと自覚したからには態度を決めなくてはと思うのですが、しかし正解を提示するのは「風下の朱」の仕事ではもちろんなく、いっそう朱い闇の中で途方に暮れる気分です。

デビュー作以降すっかり夢中になった後、『リリース』のあたりは少し解らないなと思った作家さんでしたが、暴力的な感じでまた絡め取られました。

2019年3月13日

読書状況 読み終わった [2019年3月13日]
読書状況 読み終わった [2019年3月12日]
読書状況 読み終わった [2019年2月28日]

大好きな作家さんが大好きだというので興味をひかれました。
読んで良かったです。今が冬なのも、幸運でした。

静かで柔らかな文章が描き出す、凛と冷たい空気。
「霜」で佇む固いものたちも、「天の川」の星雲も、「白木蓮」の炎も忘れがたい。
張りつめたものを壊してしまわないようにじっと息をひそめて読み進んだのに、最後には溢れてしまって、その時想いは散り散りのようでも羽ばたくようでもありました。

2019年2月27日

読書状況 読み終わった [2019年2月27日]
読書状況 読み終わった [2019年2月22日]
読書状況 読み終わった [2019年2月18日]
読書状況 読み終わった [2019年2月8日]
読書状況 読み終わった [2019年2月5日]
読書状況 読み終わった [2019年2月2日]
読書状況 読み終わった [2019年2月1日]

再読…なので分かっちゃいるのに!
ハラハラハラハラ!
堂々たる話の運びに手に汗握りつつ、一方で丹念に張り巡らされた伏線や条件に、ほうと溜息をつきつつ。

それにしても名場面のオンパレードです。
折伏で名前を掌握するほんの数行が、はんぱない迫力。
延主従を招いてのクライマックスは言わずもがな。特に最後、六太が尚隆スパコーンするのが楽しい。
あの柴犬ちゃんなんかもそうですが、緊張と緩和が並外れて巧みで、頁の上でいいように転がされて大変気持ち良い読書でした。

2019年1月29日

読書状況 読み終わった [2019年1月29日]

蝕によって泰果のまま蓬莱に流されてから十年、泰麒が発見され帰ってくる。受け入れたものの、麒麟というもの、自分が麒麟であることが把握できない泰麒。しかし王を選定しなければならない時はやってきてしまう。

幼くかわいい泰麒を愛で、子供の相手に四苦八苦している景麒をフフフと眺める巻。

2019年1月28日

読書状況 読み終わった [2019年1月28日]

赤朽葉家を崇拝する者としては読んでおかなきゃかな、作品誕生の経緯からしてライトな少女小説かな……と、やはりライトな気持ちで読み始めたらとんでもないことになりました。歴代号泣小説ランキングにインしてきそう。

主人公の小豆がレディース「製鉄天使」の総長になり、中国地方の、つまりはせかいの制覇を目指す物語。
赤朽葉家が精緻にして荘厳な和製マジックリアリズムの極致ならば、製鉄天使は「やりすぎ(笑)」。それは当然で、だって完璧に作り込むのもそれに感心するのも、大人の仕事だからです。小豆達が住む世界では、そんなのきっとしゃばいしゃばい。
とはいえ、虚無僧乙女連との対決で月に飛ぶのも、小豆が背負う鉄の翼も、そしてクライマックスの鉄vs紙も――実に美しくも、あります。象徴的なのがハイウェイダンサーで、肥溜めのをインク替わりにタイヤで路上にアジテーションを書き刻んでいく文学少女だったりする。山頭火なんかも面白いのですが「センコー が うざいの」なども、なんだか妙に詩的だなと感じ入ってしまう。

スミレっ子の行く末は、赤朽葉家を読んでいたし存在自体がフラグみたいな子なので分かってはいたものの、やはり哀しい。併走しながらの小豆の涙が印象的でした。
しかし実は、私はスミレに対してまったく良い感情を抱けずにいた。大和イチと同じ見方しか出来なかった。
でも、庭での伯父と小豆の単純な会話が、単純だからこそ素直に納得できて良かったです。

スミレの事件性と対象的に、タケルは小豆の世界から静かにスーッと消えていき、これもまた哀しい。
タケルが選んだのは、こちらでも一本物語が出来るだろうと思われる成長の道であり、たぶん私も含め多くの人が共感できるはず。しかし同時に、小豆にとっては抗えない別れでしかありませんでした。

最後の闘いでは、もう涙腺崩壊でした。
大人になるのは原則十九歳であったのに、喪いすぎて悲しみを知りすぎて、より早く大人になってしまった小豆。それを仲間にもひた隠しに隠しつつ、夢であった中国地方制圧の最終仕上げに向かいます。魂が燃え尽きる寸前にのみ許された輝きに、感動が止まりませんでした。

――で、顔面ぐちゃっとしながらエピローグに突入し、はじめはかなり混乱しました。
わりと何事もなかったように仲間たちと集まり、走り出して、なんか埋蔵金探して掘り当ててるし。
え、この涙どうしてくれるの。みたいな。
しかし、呆然としている間にじわじわと理解が追いついたように感じました。もしかしてここ一番大事なところなのかもしれない。
魔術的リアリズムをむしろ蹴散らさんばかりの勢いで走ってきた物語において、時空を粉砕するエピローグは、小豆達への鎮魂歌であるとともに私達へのエールでもあるのかもしれない、と。「えいえん」なんてね、と悟りきった顔を晒してい生きている私に向かって、最後小豆は振り返ってああ言うのですから。
ちょっとまだうまく纏められませんが、このエピローグによって「製鉄天使」の存在は、小豆にとっての真っ赤なボーイさながらに私に寄り添ってくれるものになりました。

2019年1月27日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2019年1月27日]
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