俳優探偵 僕と舞台と輝くあいつ (角川文庫)

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本棚登録 : 49
レビュー : 8
著者 :
制作 : サマミヤ アカザ 
nakagawaさん  未設定  読み終わった 

面白いです。と思います。
タイトルに「探偵」とあるしミステリーだと紹介されているのですが、論理とかの他愛なさはいっそ挑戦的なほどでした。
私は「佐藤友哉だから」という理由で手に取ったクチなので、なんら違和感はなく、むしろこの虚構と現実の喰らい合いみたいな様がスリリングで楽しかったです。

第三幕「観ると死ぬ舞台」がやはりとても好きです。
『猫の首』の真相をどう受け止めるか、意見分かれそうですが、私は信仰するみたいに納得してしまう。ちょっと大げさかなと思いつつ、薔薇の名前に似た種類の衝撃でした。その犯罪(といっていいのか)の、純度の高い美しさ。

この作品、ジャンル分けするならなんでしょう……青春小説とかになるのでしょうか。
でも私なら、ほんのひとつふたつの文章を拠り所にして文学だという。
大団円の、死ぬまでつづく幸福の件とかけっこうな号泣しましたし。
水口との殴り合いを経た後の
>日常生活は完成された。
だなんてもう、まだ2月始まったばかりで気が早いですが、2018年私に刺さった文章ベスト入り確実です。痛いよう。方向性が違うけれど、作中の言葉を借りればまさに「電流」的で、このまま間もなく完成されてしまうと怯えている身にとっては。
電流と言えば、兄に初めて芝居を観に連れて行ってもらったエピソードそのものが、絶大な電気を帯びていると思う。だから一見、フィクション的ストレートに思えるムギ君の精神の遍歴(?)が、他にはない説得力を持っている。

なんだか曖昧な言い方ばかりしてしまったけれど、要約すると「あー私やっぱ佐藤友哉書くもの好きなんだなー!」ということです。

がんばれムギ君。シカ君も。
今、読めて良かった。

レビュー投稿日
2018年2月3日
読了日
2018年2月3日
本棚登録日
2018年2月3日
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