御伽草子 下 (岩波文庫 黄 126-2)

著者 :
  • 岩波書店 (1986年3月17日発売)
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本棚登録 : 158
感想 : 10
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(2012.11.11読了)(2012.10.27購入)
展覧会で「お伽草子展」を見て興味を持ち、古書店で、文庫の「御伽草子」を捜してみたのですが、下巻だけしか見つからなかったのですが、購入してきました。
とりあえず、現代語訳の「御伽草子」西本鶏介著、ポプラ社を図書館から借りてきて読んでみたら、なかなか面白い話ばかりだったのですが、23話のうちの8話しか収録されていませんでした。
岩波文庫版の上巻には、10話。下巻には13話収録されています。
現代語訳で読んだうちの5話は、上巻。3話は下巻に収録されている分です。
ということは、下巻を読むと、未読の15話のうちの10話が読めるということになるので、下巻を読んでしまうことにしました。
収録されている作品は、以下の通りです。
蛤の草紙 - 小敦盛 - 二十四孝 - 梵天国 - のせ猿さうし - 猫のさうし - 浜出草紙 - 和泉式部 - 一寸法師 - さいき - 浦島太郎 - 横笛草紙 – 酒吞童子
一寸法師、浦島太郎、酒呑童子の3つは既に現代語訳で読んでいますので、原文で復習ということになります。
原文でもなんとか内容は読み取れるよ、と言うほかの方の感想を頼りに読み始めました。意味不明な言葉は、註釈を頼りにすればわかるようになっているのですが、なかなか現代語訳を読むようなわけにはいきませんでした。特に、小敦盛と二十四孝は、よく分かりませんでした。他は、なんとか内容は把握できた気がします。
簡単な内容説明は、本の先頭についていますので、参考にしながら読むといいでしょう。
出版当時の挿絵もそのまま入れてあるのですが、サイズが小さいのが残念です。
全体的には、子供向けではなくて大人向けの話のようです。子供向けの現代語訳には、8話しかなかったのは、子どもが読んでも面白い話を選んだということなのでしょう。
とはいえ、「酒呑童子」などは、かなり血なまぐさい話ですので、小学校高学年じゃないと、怖すぎる気がします。

●酒の効用(127頁)
酒にあまたの威徳あり。うとき人さへ近づき、親しき中はなほ親しむ。遠近の、たつきも知らぬ旅人に、馴るるも酒の威徳なり。
●他生の縁(174頁)
人間の習ひは、一樹の陰、一河の流れを汲む事も、他生の縁と申す也。ひと村雨の雨宿り、いづれもこの世ならぬ縁とこそ、聞き伝へ候へ。

☆関連図書(既読)
「御伽草子」西本鶏介著・井上洋介絵、ポプラ社、2002.04.
(2012年11月17日・記)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の古典
感想投稿日 : 2012年11月14日
読了日 : 2012年11月11日
本棚登録日 : 2012年11月8日

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