テーバイ攻めの七将 (岩波文庫 赤 104-2)

  • 岩波書店 (1973年6月18日発売)
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感想 : 6
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(2015.07.20読了)(2015.07.19拝借)
ソポクレスの「オイディプス王」関連の三部作を読んだのですが、解説・訳注の中で、「テーバイ攻めの七将」が登場するので、ついでに読んでみました。
物語の順番としては、
「オイディプス王」⇒「コロノスのオイディプス」⇒「テーバイ攻めの七将」
 ⇒「アンティゴネー」
となります。
「コロノスのオイディプス」では、オイディプスの子供であるエテオクレスとポリュネイクスがオイディプスを味方に付けようと争っていました。
「アンティゴネー」では、エテオクレスとポリュネイクスの戦いは、すでに終わり、相打ちでなくなっている場面から物語が始まります。
「テーバイ攻めの七将」は、上記二つの物語の間を埋める物語になっています。つまり、エテオクレスとポリュネイクスの戦いが描かれています。

●男の仕事(16頁)
(エテオクレス)家の外のことは男の仕事だ、女は口出しならぬ。内にいて、わるさはするな!
●ポリュネイクス(43頁)
(使者)城壁をふんまえて、この地の征服者と宣せられ、攻略の勝鬨をあげて後、殿と刃を合わせ、相討ちとなって共に骸を並べるかおのれをはずかしめた殿を、生きておれば、テーバイから追い、おのれの受けたと同じように復讐してやると言っている。
●葬儀(72頁)
(布告使)これにあるエテオクレスの殿は、国に対する忠誠のゆえに、この地に手厚く葬ることに相成った。敵を憎み、この国での死を選び、父祖の神殿をけがすことなく清浄潔白に、若人の名誉の死に場所で死なれたからだ。
だが、この殿の御兄弟のここにあるポリュネイケスの骸は、葬らず、犬の餌食にほうり出すときまった。

☆関連図書(既読)
「オイディプス王」ソポクレス著・藤沢令夫訳、岩波文庫、1967.09.16
「コロノスのオイディプス」ソポクレス著・高津春繁訳、岩波文庫、1973.04.16
「アンティゴネー」ソポクレース著・呉茂一訳、岩波文庫、1961.09.05
(2015年7月20日・記)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2015年7月20日
読了日 : 2015年7月20日
本棚登録日 : 2015年7月19日

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