神戸発阪神大震災以後 (岩波新書 新赤版 (397))

3.38
  • (2)
  • (2)
  • (8)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 48
レビュー : 13
著者 :
nakaizawaさん 事件・事故・災害   読み終わった 

(2012.02.20読了)(2012.01.26購入)
【東日本大震災関連・その57】
阪神淡路大震災が発生したのは、1995年1月17日未明のことでした。この本のあとがきは、5月10日に書かれていますので、震災から3カ月後ぐらいの状況が記されていることになります。
阪神淡路大震災に全く関心がなかったわけではないのですが、東日本大震災に比較すると関心の度合いは、雲泥の差が出てしまいました。この本を今頃になって読んでいるわけですから。
読んでみると、東日本大震災と似ている部分もあり、違う部分もあります。
阪神淡路大震災の際には、公園にテントを張って暮らすとか、車で暮らすとかが結構あったようなのですが、東日本大震災では、学校やお寺など、屋根のある建物での避難生活が多かったように思います。
役所の対応に関しては、両者にあまり違いがなさそうです。ただ、阪神淡路大震災の場合は、兵庫県、神戸市、という特定の自治体が関わるだけですが、東日本大震災の場合は、岩手県、宮城県、福島県、等多くの自治体が関わっています。
震災にかかわる多くの仕組みが、阪神淡路大震災の経験をもとに作られた面もあるので、今回有効に機能したものもあるし、見直す必要があるものも出てきているようです。
東日本大震災からそろそろ1年になりますので、見直しを早急に進めていただきたいものと思います。(見直しが進んでいるものもあるようですが)

この本の目次は以下の通りです。
はじめに
地域はもう一つの病棟―医療の現場から  道上圭子
1.悲鳴のなか、自動車のライトで応急手術
2.劣悪な避難所の生活環境
3.ストレスと「がんばれ」キャンペーン
4.震災が残したもの、教えたもの
高齢者に居住、移転の自由は?  中村大蔵
1.避難先での生活
2.ヒューマンライン
震災を生きる障害者  西脇創一
1.倒壊した家の下で
2.避難生活から、健常者が得られたこと
検証・阪神大震災と「在日」社会  粉川大義
1.震災と在日韓国・朝鮮人
2.「在日」として生きる
工場も家も失ったケミカル業界  門野隆弘
1.途上国の追い上げ、円高、そして大震災
2.再建の手掛かりを求めて
3.政府は救済の責任を
4.ケミカルの町々を襲った都市計画
立ち上がる市民、自治会  酒井道雄
1.救急・救命に効果を発揮した”地域文化”
2.置き去りにされた避難所の住民たち
3.「大規模開発」から「修復型まちづくり」へ
4.震蕩体験から市政の抜本的改革へ
地域が学校になだれ込んだ  有井基
1.管理体制を維持し続けた学校、という存在
2.震災から学んだ子どもたち
3.環境の激変に耐える
市民とボランティア  草地賢一
1.震災時のボランティア
2.行政とボランティア
3.ボランタリズム
神戸に文化を  島田誠
1.六甲シンフォニーホールをめぐって
2.震災からはじまったこと
行政を変える―市民のまちづくりへ  中田作成
1.阪神大震災は何を告げるか
2.新たなまちづくりに向けて
あとがき

●民医連(9頁)
震災の四時間後、民医連(全日本民主医療機関連合会)加盟の姫路医療生協から医師、看護婦とともに医薬品が救急車で到着、直ちに活動を始めた。19日朝までの三日間だけでも、岡山、東京、大阪、和歌山、奈良、愛媛、富山などから約100人の支援者が医薬品、食料などを山積みして続々と駆け付けた。
「いま医療にとって最も必要なのは水だ」と朝から晩まで水の確保を引き受けた医師、「小学生二人くらいなら預かって帰ります」と申し出てくださった山口の看護婦さん、「必要なことなら何でもやりましょう」と大便の詰まったトイレの掃除を引き受けてくれた人もあった。
●マスコミ(31頁)
がれきの中でじっと救援を待つ。炊き出しに長蛇の列。それは被災者の事実の一端ではあるが、すべてではない。マスコミは画になるものを求め、非被災地の人びとはそれを要求しがちである。
●行政への提案・二月下旬(37頁)
高齢者や障害者、体調を崩している人、幼児を抱えている家族には空き教室を開放すること、避難者の自活促進に学校給食設備の使用を認めること、電子レンジを配備すること、大型布団乾燥車を避難所にまわすこと、など。しかし、どれも日の目を見なかった。

◆阪神・淡路大震災
「災害救援の文化を創る」野田正彰著、岩波ブックレット、1994.11.21
「大震災復興への警鐘」内橋克人・鎌田慧著、岩波書店、1995.04.17
「災害救援」野田正彰著、岩波新書、1995.07.20
「わが街」野田正彰著、文芸春秋、1996.07.20
「神戸震災日記」田中康夫著、新潮文庫、1997.01.01
「ヘリはなぜ飛ばなかったか」小川和久著、文芸春秋、1998.01.10
「復興の道なかばで」中井久夫著、みすず書房、2011.05.10
「阪神・淡路大震災10年」柳田邦男著、岩波新書、2004.12.21

レビュー投稿日
2012年2月20日
読了日
2012年2月20日
本棚登録日
2012年2月18日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『神戸発阪神大震災以後 (岩波新書 新赤版...』のレビューをもっとみる

『神戸発阪神大震災以後 (岩波新書 新赤版 (397))』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

『神戸発阪神大震災以後 (岩波新書 新赤版 (397))』にnakaizawaさんがつけたタグ

ツイートする