太平洋戦争 日本の敗因5 レイテに沈んだ大東亜共栄圏 (角川文庫)

制作 : NHK取材班 
  • 角川書店 (1995年8月8日発売)
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(2007.09.12読了)(2006.10.12購入)
シリーズ「太平洋戦争 日本の敗因〈5〉」
レイテ島での戦いは、大岡昇平の「レイテ戦記」が有名ですが、分厚い3巻本なので、ちょっと手を出せずにいます。
フィリピンは、地図で見るとたくさんの島で成り立っています。ルソン島、ミンドロ島、パナイ島、ネグロス島、セブ島、ボホール島、サマール島、レイテ島、ミンダナオ島、パラワン島、大きめの島の名前を拾うと以上のようです。割と耳にする名前もあるし、あまり聞いたことのない名前もあります。レイテ島はこれらの中でも大きいほうではありません。どうしてこの島で日本軍は戦ったのでしょう。

●フィリピン概観(4頁)
フィリピンは、首都マニラのあるルソン島をはじめ南北1600キロメートルに渡って、7000余の島々からなっている。その東南アジアにおける重要な戦略上の位置から、古くはスペインが400年間も植民地支配し、その後アメリカが40年、さらに太平洋戦争中日本が3年にわたって統治した。いわば帝国主義列強の支配に翻弄されてきた歴史を持つ国である。
●開戦(29頁)
1941年12月8日、日本は太平洋戦争開戦と同時に、アメリカの植民地フィリピンへの攻撃を開始した。台湾を飛び立った日本軍機は、ルソン島中部のクラークフィールドを空襲。一瞬のうちに、アメリカ軍の虎の子のB17爆撃機の大半を破壊した。
12月10日、日本軍先遣隊はルソン島北部アパリから上陸。22日には、第14軍主力がルソン島西岸リンガエン湾に上陸した。
1942年3月11日、マッカーサーは魚雷艇でコレヒドールを脱出。ミンダナオ島に向かい、そこから飛行機でオーストラリアへと飛んだ。コレヒドールを脱出する際に残した言葉が「アイ・シャル・リターン」(私は必ず帰る)である。
●バターン死の行進(45頁)
ルソン島のバターン半島で降伏したフィリピン人兵士やアメリカ人兵士が、徒歩による移動の際、飢えや病で死亡した事件である。
(「南京事件」と同様、犠牲者の数やその他、真相が分からないようです。)
●フィリピンの重要性(54頁)
フィリピンの重要性は、シーレーンの要としてであった。敵国アメリカの極東における重要拠点フィリピンを押さえることは、同時にその西方を通る南方資源ルートを確保することであった。
●日本軍による支配(87頁)
フィリピンは、スペインやアメリカの植民地支配の影響で、キリスト教文化と西洋文明が浸透していた。日本軍はそうした社会に、旧満州や朝鮮半島でやったのと同じように天皇崇拝を押し付け、教育や生活習慣まで変えるように無理強いした。
●日本軍政の三大原則(99頁)
「資源の獲得」、戦争遂行に必要な資源を占領地から獲得すること。「軍の自活」、占領地の軍隊は内地からの補給に頼らず、食料などはなるべく現地で調達すること。「治安の回復」、日本軍への抵抗運動は押さえ込むこと。
(現地の人が喜んで協力してくれるようなものではない。)
●レイテ決戦(175頁)
1944年10月20日、日米の一大決戦が始まった。激しい艦砲射撃を受け、早くも第16師団5000人が死傷した。(レイテの第16師団は2万人弱)
4日後、太平洋戦争最大の海戦、レイテ沖海戦が繰り広げられた。日本艦隊は、アメリカの輸送船団のいるレイテ湾にはなぜか突入しなかった。日本の海軍は、敵の軍艦しか相手にしなかったらしい。
1944年12月下旬、大本営はレイテの放棄を決定。レイテ戦で死亡した日本兵は8万人。
小磯首相が太平洋戦争の「天王山」と位置づけたレイテ決戦は失敗に終わった。
(2007年9月30日・記)
☆関連図書(既読)
「失敗の本質」戸部良一・寺本義也・他著、中公文庫、1991.08.10
「太平洋戦争の失敗10のポイント」保阪正康著、PHP文庫、1999.12.15
「日米開戦 勝算なし」NHK取材班著、角川文庫、1995.05.25
「ガダルカナル 学ばざる軍隊」NHK取材班著、角川文庫、1995.05.25
「電子兵器「カミガゼ」を制す」NHK取材班著、角川文庫、1995.07.10
「責任なき戦場 インパール」NHK取材班、角川文庫、1995.07.10

(「BOOK」データベースより)amazon
レイテ決戦は、日米の雌雄を決した戦い、マッカーサーの執念の戦いと言われる。しかし、実は50万人の日本兵戦死者をうわまわる、100万人のフィリピン人の犠牲者があった。敗戦後、引き揚げる日本兵は、フィリピン人に「ハポン、パタイ」(日本人、死ねー)と石もて追われたという。大東亜共栄園、八紘一宇のスローガンのもとで、日本人は何をしたのか。わたしたちはその事をいま学び始める。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 太平洋戦争
感想投稿日 : 2010年3月4日
読了日 : 2007年9月12日
本棚登録日 : 2007年9月12日

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