(2012.05.31読了)( 2011.12.18購入)
中国の有名な物語の古典として、「西遊記」「三国志」などがあります。「聊斎志異」という名前も聞いたことがあるのですが、手ごろなのが見つからなくて読めずにいたのですが、古書店でこの文庫を見つけたので購入しました。
先日読んだ「本へのとびら」(宮崎駿著、岩波新書)、でも取り上げられていたので、この機会に読んでしまうことにしました。
蒲松齢作の「聊斎志異」は、17世紀末に成立した、奇異な説話を集めた中国の古典である。
「聊斎志異」の書名は、「聊」とは無駄話、「斎」は書斎のこと。すなわち、「無駄話をする書斎」で「異」な話を「志」すということであろう。(「はじめに」より)
この本は、「聊斎志異」に収められたすべての話を訳出したわけではなく、特に怪奇的な話に着目し、幽霊・神・狐・龍・首等に関する話を日本語訳したものである。
【目次】
はじめに
幽霊の怪
妖怪の怪
狐の怪
女の怪
龍の怪
首の怪
附 芥川龍之介と太宰治と『聊斎志異』
「酒虫」
「黄英」
「竹青」
酒虫 芥川龍之介
清貧譚 太宰治
竹青―新曲聊斎志異― 太宰治
参考文献一覧並びに付記
最後の付録として、芥川龍之介と太宰治が「聊斎志異」に題材をとって翻案した作品の原典と二人の作品が収録されています。
本編の奇異な作品にも驚かされますが、付録の作品も興味深く読み比べることができました。
(2012年5月31日・記)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
中国
- 感想投稿日 : 2012年5月31日
- 読了日 : 2012年5月31日
- 本棚登録日 : 2012年5月29日
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