爆笑問題の戦争論―日本史原論

著者 :
  • 幻冬舎 (2006年7月1日発売)
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(2013.12.17読了)(2013.07.06購入)
固い本が続いたのでちょっと休憩のつもりで手に取った本です。
題名からクラウゼヴィッツや孫子の話かと思ったのですが、日本史原論シリーズなので、明治以来日本が戦ってきた戦争の話でした。日清戦争から太平洋戦争までです。
「日中戦争 新版」臼井勝美著を読んだところだったので話題が重なって幸いでした。
日中戦争の前も結局日本は、日清戦争以来ずっと、中国を日本の支配下に置こうとずっと攻め続けてきているんですね。
21世紀になって今度は、中国が日本を攻めているのは、やむを得ないことなのかもしれません。日本は、2050年ぐらいまで耐え続けるしかないのではないでしょうか。
中国は、日本を支配下におくまであきらめないのではないでしょうか。
日本は、それだけ中国にひどいことをやってきたのだから祖先の負債を支払わなければいけないのでしょう。
日清戦争から太平洋戦争まで、ポイントをついた漫才を聞かしてくれるので、日本の戦争を学ぶ入門書として、または、難しい戦争史を整理してくれる復習としてお勧めです。
年表、図版、写真なども挿入されていて理解を助けてくれます。
『永遠の0』の副読本としてもいいかも。

【目次】
プロローグ
日清戦争・前編 1894~1895
日清戦争・後編 1894~1895
日露戦争・前編 1904~1905
日露戦争・後編 1904~1905
第一次世界大戦 1914~1918
山東出兵 1927~1928
満州事変 1931~1933
盧溝橋事件(七・七事変) 1937
日独伊三国同盟 1940~1945
太平洋戦争・前編 1941~1945
太平洋戦争・中編 1941~1945
太平洋戦争・後編 1941~1945
あとがき
参考文献一覧

●東学党の乱(24頁)
東学とは西学(キリスト教)に対する東学と言う意味で、日本やヨーロッパから押しつけられた〝近代〟に対抗して朝鮮の民衆が育んだ思想だ。つまりこれは、日本やヨーロパが無理矢理押しつけようとした〝近代〟を不満に思った朝鮮の民衆が起こした反乱だったんだ。
●宣戦布告(56頁)
宣戦布告せずに戦闘を開始することを禁止した国際条約が調印されるのは1907年の第2回ハーグ万国平和会議でのことなんだ。
●シベリア出兵(83頁)
日本の出兵目的はあくまでチェコ軍救援ということなんだけど、これは建前で本当の目的はロシア革命の混乱に乗じて北満州、シベリア方面を日本の支配下に収めることだった。
日本のシベリア出兵は結局、第一世界大戦が終了し、他の国々が撤退した後、1922年まで続き、戦費10億円、死者3500人、得たものは国際的な不信だけだった。

☆爆笑問題の本(既読)
「爆笑問題の日本史原論」爆笑問題著、メディアワークス、2000.08.05
「三三七拍子」爆笑問題著、二見書房、2001.03.20
「爆笑問題 時事少年」爆笑問題著、集英社、2001.04.30
「爆笑問題の日本史原論 偉人編」爆笑問題著、メディアワークス、2001.08.10
「爆笑問題の世紀末ジグソーパズル」爆笑問題著、集英社文庫、2001.08.25
「爆笑問題の日本史原論 グレート」爆笑問題著、幻冬舎、2002.08.10
「昭和は遠くなりにけり」爆笑問題著、幻冬舎、2003.07.25
「爆笑問題が読む龍馬からの手紙」爆笑問題著、情報センター出版局、2005.08.04
「憲法九条を世界遺産に」太田光・中沢新一著、集英社新書、2006.08.17
「マボロシの鳥」太田光著、新潮社、2010.10.30
☆関連図書(既読)
「日清戦争-東アジア近代史の転換点-」藤村道生著、岩波新書、1973.12.20
「日清・日露戦争」原田敬一著、岩波新書、2007.02.20
「日中戦争」古屋哲夫著、岩波新書、1985.05.20
「日中戦争 新版」臼井勝美著、中公新書、2000.04.25
「それでも、日本人は「戦争」を選んだ」加藤陽子著、朝日出版社、2009.07.30
(2013年12月17日・記)
(「MARC」データベースより)
なぜ日本は戦争をしたのか? 日本および日本人とは何なのか? 爆笑問題の2人が、戦争をテーマに漫才に挑戦。笑いを交えながら、戦争とは何たるかに鋭く切り込む! 『ダヴィンチ』連載の単行本化。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 爆笑問題:作家
感想投稿日 : 2013年12月17日
読了日 : 2013年12月17日
本棚登録日 : 2013年12月16日

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