紅い雪 藍染袴お匙帖 (双葉文庫)

  • 双葉社 (2006年11月14日発売)
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本棚登録 : 143
感想 : 13
4

仕事の関係上、一冊読んでみることに。
シリーズの第4弾という中途半端なところから読みはじめるハメになったが、1話完結だし、レギュラーの登場人物の人物像もすっと掴めて、とても読みやすかった。さすがは脚本もお書きになる藤原先生。セリフでもって、人物を描くのがうまい。

1話は、吉原入りした娘、奪還計画
2話は、報われない恋と思慕のために、身を犠牲にして奔走する切ない女の話
3話は、訳あり父子の、これまた切ない裏事情

思った以上におもしろかった。全然時代小説読む人じゃなかったけど、抵抗なし。
1話はまあまあだったが、2・3話はどっちも泣きそうになった。疑わしい人はみんな、実は良い人なんだよねぇ。ただ江戸事情が、人生をあらぬ方向へ持って行くことがある。苦し紛れっていうのが分かるから、こっちも辛い。
でも、全話とも後味は良いようにまとめられていて、さすがでした。
主役の千鶴さんの、医者っていう立場がおもしろいし、聡明快活さも見せつつ、慎み深さも感じさせる性格が、私にはしっくりきた。他も読んでみたいと思うスタートでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説
感想投稿日 : 2014年8月9日
読了日 : 2014年8月7日
本棚登録日 : 2014年8月9日

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