これほどまでに何とも名状しがたい、奇妙な読後感の作品は初めて。
カフカの「変身」。
あまりにも有名なので、どんな内容なのか予備知識はあったものの、
一度きちんと読んでみようという事で、手に取ってみる事にしました。
解説を除けば100ページ弱という、薄っぺらい本。
1時間程で読み終えてしまいますが、どんよりと心に澱のようなものが残る。
ある朝目を覚ますと、グレーゴル・ザムザ青年は巨大な虫になっていた。
何ともシュールな出だしで、否応なく物語に引き込まれてしまいます。
突然の怪事に、仰天しながらも心配する家族達。
グレーゴルは必死に自分の意思を伝えようとする。人間としての心があると。
でも家族にはそれが伝わらない。やがて意思の疎通もなくなっていく。
グレーゴル(ムカデのような虫らしい)の視点から描かれているため、
せわしなく動く足だとか、鎧のように固い背だとか、描写がリアル(笑)
嫌悪感と興味深さ(と怖いもの見たさ)がない交ぜになったような気持ち。
そもそも何故彼が虫になってしまったのかには触れられていませんが、
その分色々な解釈がありそうで、またいつか読み返したい一冊になりました!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
BOOK
- 感想投稿日 : 2013年1月26日
- 読了日 : 2013年1月26日
- 本棚登録日 : 2013年1月26日
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コメント 6件
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/02/19
ななこさんのコメント
2013/02/19
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/04/01
ななこさんのコメント
2013/04/07
猫丸(nyancomaru)さんのコメント
2013/06/03
ななこさんのコメント
2013/06/16