偏屈な老富豪シメオン・リーが、クリスマスに自分の子供たち全員を家に集めます。
クリスマスは、平和、善意といった精神が人々の心にいきわたっており、楽しい気分の季節です。しかし、ポアロは“クリスマスには死体がよく似合う(p471)”といった不穏な意味を含んだ意見を述べています。
そして実際、クリスマス・イヴにシメオン・リーが殺害されてしまいます。ドアには鍵がかかっており、窓から人の入れる隙間はない、おそろしい格闘のあとが残っている部屋で、血まみれになって殺されていました。冒頭にあるように、「もっと血にまみれた、思いきり兇暴な殺人」です。
血の赤など、クリスマス要素のある物語ですが、シメオン・リーの子供たちにとっては、ちっともいいクリスマスではありません。いつか家族たちで、いいクリスマスを迎えてほしいです。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外ミステリ
- 感想投稿日 : 2017年9月27日
- 読了日 : 2017年9月27日
- 本棚登録日 : 2017年9月23日
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