子ぎつねヘレンがのこしたもの (偕成社文庫)

著者 :
  • 偕成社 (2005年9月1日発売)
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本棚登録 : 209
感想 : 19
4

なんとなくタイトルだけは知っていたが、しっかり読んだことがなかった。すごい可愛い。写真がめちゃ可愛い。子ぎつねの可愛さの破壊力が、半端なかった。

野性動物の獣医さんの苦労(お金にならないけど、見捨てられない)が、ユーモアたっぷりに書かれていてよかった。

主役である子ぎつねヘレン以外の、スズメや大人キツネなどの脇役たちも愛らしかった。

耳も聞こえず、目も見えず、嗅覚もないヘレン。彼女とコミュニケーションをとろうとする夫婦に、コミュニケーションというのはこちらの思い込みでこれが欲しいんでしょ?と押しつけるものではないんだな、考えて考えて、相手の立場になりきってやっと伝わるものなんだな、と感じた。

死に場所を定めたようにやってくる野性動物たち。それを受けとめる私たち。死は、遅かれ早かれどんな個体にでも訪れる。ではなぜ、目の前で殺してはいけないのか。生き延びるわずかな間に苦しむだけならば、生きさせられることは決して幸せではないのではないか。

死にゆく動物たちの、ほんのわずかな生を見届けた彼らからの問いかけは重く、心にのしかかります。子どもから読める命の教科書です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2 ノンフィクション
感想投稿日 : 2019年7月16日
読了日 : 2019年7月16日
本棚登録日 : 2019年7月11日

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