にいさん

著者 :
  • 偕成社 (2008年3月1日発売)
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本棚登録 : 365
感想 : 63
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絵本で知るゴッホ。天才と呼ばれた芸術家がなぜ、どうやって孤独なのかということ。

思うに、やはり一人になりすぎた、周りの人たちの中に自分を見いだすことを早々に諦めすぎたからではないか。物理的な一人になる、ということもそうだけど、自分の見ているもの、感じていることがすべてだと思い、他の人からは容易に理解できないだろうと思い込みすぎた。

他の人に伝わったのは彼の才能と、そして凡人には理解できないだろうという気持ちで、そしてそれは彼ら自身を傷つけるものだったから、彼に寄り添うのは容易ではなかった。

彼の弟も、兄は特別で好きだと思う一方で、彼を妬み続けていただろう。もしかしたら、死んだときに心のどこかで安堵する気持ちすらあったかもしれない。

心の扉を閉ざしてしまい、他の人の言うことに聞く耳を持たなくなるのは、芸術家でなくても、起こり得ること。人の話を聞く余裕がなくなってしまう前に、まずは自分の心と体の声を、しっかり聞ける余白を持ち続けなければ、愛する人たちを傷つけてしまうだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 6 絵本
感想投稿日 : 2019年8月5日
読了日 : 2019年8月5日
本棚登録日 : 2019年8月3日

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