戦場のコックたち (創元推理文庫)

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本棚登録 : 474
レビュー : 26
著者 :
ななさん 歴史・人物   読み終わった 

あー読みきった。重たかったけど、コックという視点が救いのように感じた、それでも内容はすごく濃くて思ったより戦争や兵士たちの色が濃くて重たかったけど、でもそのなかで料理や食べ物の話が出てくるとほっとした。

ミステリーって、謎が重視されているのと、謎もありつつストーリーがある方向に進んでいくのとある気がするけど、本作は大きな第二次世界大戦という流れがあって、それを読ませるためのミステリー要素であるような感じがした。

謎自体もけっこう不思議で、へええと思ったけど、少しずつ戦場や主人公の立場や心情が変わっていって、それに合わせて謎も変化していく感じだった。

エドの台詞がいちいち良かった。戦場じゃなくても明日死ぬかもしれない私たちは、やっぱり克服出来るものは、克服しておいた方が自分自身が苦しまなくてすむよなあと思う。自分がこわがっているだけで、たった一言、詫びるだけですむ話というのもあるかもしれない。そんな影に怯えるのは、戦争だとそれが強まるだけで、日常にもあるのかもしれない。

戦争という非常事態の謎解きのなかで、戦争にかこつけていることというのが、あったのかもしれないなと思う。若者たちの何か手柄をたてたい気持ちや他人に遅れを取りたくない気持ち、若さゆえの有り余るパワー、戦争がなかったとしてもそれらは彼らを何か他のものに駆り立てたかもしれない。

重厚な内容だったけれど、残忍な描写が苦手な人にはきついかもしれない、ミステリーっていうより歴史ものカテゴリーな気がする。
誰かが、こんな惨劇を乗りこえてなお、世の中からなぜ絶望がなくならないのかというミステリーを解いてくれる日がきて欲しい。

レビュー投稿日
2019年10月16日
読了日
2019年10月16日
本棚登録日
2019年10月13日
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