意識はいつ生まれるのか――脳の謎に挑む統合情報理論

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レビュー : 64
Blackbearさん 科学・テクノロジー   読み終わった 

手のひらに乗るくらいの大きさの物質である脳に、どのようにして意識が宿るのかを説いた本。
進化の系統的にどの段階で意識が発生したのかや、人間の成長のどの段階で意識を持つのか、を説明しているわけではない。実はそう思って読み始めていた。実際のところは、意識が生まれるためにはどのような条件を満たせばよいか、が近い。
そして、その答えを導くのが「統合情報理論」である。重要なのは、情報に多様性があり、なおかつ全体が統合されているという、そのバランスである。それをΦという単位で表している。小脳はシナプスが非常に多く多量の情報を扱うことができるが、全体として統合されておらず、意識を宿すことはない。心臓は統合されたシステムだが、単純なパルスを刻むだけで、情報量は少ない。当然、心臓には意識はない。
今のところ、Φが大きいシステムとなっているのは、大脳の視床皮質である。
興味深いポイントは、Φは連続量であるため、意識がある/ないの境界をはっきり分けることはできないということ。覚醒した人間のΦは大きいけれど、寝入る寸前や、麻酔から覚醒する過程などはΦが小さい。乳幼児のΦも小さいのかもしれない。サルやイルカやイヌやネコは人間と同じ言語が使えないというだけで、高いΦを持っているのかもしれない。昆虫にも意識があると言えるのかもしれない。
統合情報理論はまだ確固たる裏付けはないらしいが、世界の見方をちょっと変えることができた。

レビュー投稿日
2019年3月25日
読了日
2019年3月25日
本棚登録日
2018年9月11日
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