行動学入門 (文春文庫 み 4-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (1974年10月25日発売)
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本棚登録 : 1482
感想 : 74

異なる媒体向けに執筆されたエッセイが纏められています。
 男性誌向けの「行動学入門」
 女性誌向けの「おわりの美学」
 オピニオン雑誌向けの「革命哲学としての陽明学」

彼の行動哲学が、別々のアプローチで描かれていると言っていいでしょう。
断然読み易いのは、おわりの美学。
最も日常生活に落とし込んだ短編であり、信じられないくらい平易で読み易いです。

「童貞のおわり」では、“おわり”は繰り返されるだけで永久に終わらない。
という、なんとも都合がいいような、しかし、三島の死生観にも直結するような論理が登場します。
また「個性のおわり」では、個性という逃げ道を、若いうちから作る真似はするなと説きます。

どんな内容にも、行動者としての規範がベースにあるので、一貫した主張を感じ取ることが出来ます。
かくあるべき美学を確立している氏から見れば、日常はなんとも醜いもんですね(笑)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2012年12月4日
読了日 : 2012年12月4日
本棚登録日 : 2012年12月4日

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