異なる媒体向けに執筆されたエッセイが纏められています。
男性誌向けの「行動学入門」
女性誌向けの「おわりの美学」
オピニオン雑誌向けの「革命哲学としての陽明学」
彼の行動哲学が、別々のアプローチで描かれていると言っていいでしょう。
断然読み易いのは、おわりの美学。
最も日常生活に落とし込んだ短編であり、信じられないくらい平易で読み易いです。
「童貞のおわり」では、“おわり”は繰り返されるだけで永久に終わらない。
という、なんとも都合がいいような、しかし、三島の死生観にも直結するような論理が登場します。
また「個性のおわり」では、個性という逃げ道を、若いうちから作る真似はするなと説きます。
どんな内容にも、行動者としての規範がベースにあるので、一貫した主張を感じ取ることが出来ます。
かくあるべき美学を確立している氏から見れば、日常はなんとも醜いもんですね(笑)
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2012年12月4日
- 読了日 : 2012年12月4日
- 本棚登録日 : 2012年12月4日
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