思考脳力のつくり方 仕事と人生を革新する四つの思考法 (角川oneテーマ21 C 186)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047102309

作品紹介・あらすじ

システム思考が新しい仕事と素晴らしい人生をつくる!仕事に恋にお金…日々起きる人生の問題を解決するには、どうすればよいのか?あなたは人生の経営者。ビジョンを創る脳力を鍛えることだ!"人間の思考"を分析してきたロボット工学者が、究極の思考法を大公開。

感想・レビュー・書評

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  • カオス理論について勉強している最中に見つけた本。仏教思想についてもう少し深めたいと思った。

    本書内容まとめ
    ・思考法には要素還元思考、システム思考、ポストシステム思考、システム思想の4つがあり、順々にステップアップして理解することができる。4つの思考法は補完関係にあり、自在に行き来することが重要
    ・要素還元思考では、一つの要素を深く掘り下げる。西洋的な学問の基本。
    ・要素が二つ以上あればそれはシステムであり、システム全体の問題を明確化したり解決したりするのがシステム思考。多様な視点で物事を捉える。ツリー型、マトリックス型、ネットワーク型のツールがあるが、これらはあくまでモデルに過ぎない。
    ・実際の現実は複雑系であり、論理的思考でシステム全体を予測することはできない。ポストシステム思考では、唯一絶対の正解ではなく、より満足度の高い解決策を目指す。創造的に解を構築するアーキテクティングと、複数人で話し合い相互理解をするアコモデーションがある。
    ・すべての物事は無我であり、思考もコントロールできるものではない。ありのままを生きる状態がシステム思想。

    *本書について触れているノート
    https://note.com/junasega/n/n58d12c2bc786

  • 十牛図

  • ・物事を小さく見ているときは解が見つかりやすい。(要素還元思考を使って分析できる)

    ・ただ、少し大きなものの見方をすると、1要素が成り立つには、多数の他要素が必要だと気づき、それを含めて解を探す。(システム思考)

    ・しかし、要素をテーマにし、テーマとテーマの繋がりを見ていくともはや、解は見つからず、満足のいくものをヒネリ出すしかない(ポスト・システム思考)

    ・上記のすべてを理解したうえで、論理ではない部分で理解する悟りがシステム思想。認めること。

  • 複雑系システムが、カオス的な振る舞いを見せるとき、システム思考は問題を解決できないだろう。
    要素還元的、システム思考的、ポスト・システム思考的、システム思想的の4つの段階の思考法を、どれかに固執する訳ではなくい。包含関係としてわかった上で適材適所に組み合わせて考えろというメッセージが書かれている。

  • ポストシステム思考と、システム思考と、要素還元と、どれもちゃんと踏まえたうえでの老荘思想。難しいね。

  • 難しい。なかなか、これを全て理解するのは難しい。今の僕には、この本のエッセンス少しだけしか理解できてない気がするけど、この本を通して著者が言いたかったことの大切さは何となく分かる。
    もう少し時間を置いて、また読み返してみると、また少しだけ理解が深まるんじゃないかと思う。
    万人受けする本ではないと思いますが、僕は面白いなと思いました。難しいですが…。

  • システムという考えを根幹に、
    これからの日本に必要とされる思考法を綴った内容。

    言い回し、表現されている言葉、どれをとっても分かりにくく、
    全く理解できなった。
    この本の内容を、この思考法を元にサマリーして欲しい。

  • 4つの思考法について、解説している。
    ・要素還元思考(木を見て森を見ず)
    ・システム思考(木を見て森を見る)
    ・ポストシステム思考(木を見て森を見ている自分も含む地球生命圏の多用で複雑な有様を理解)
    ・システム思想(木や森が実在するのか、自分の心が実在するのかあるいは両者が実在するのかという問い自体が無駄であることを体感)
    私もポストシステム思考までは到達したかなと感じるが、システム思想まで到達するにはもっと時間がかかるように思う。
    難しかったが、思考法を考えるためのヒントとなった。

  • 正直わかりにくい

  • 畏友であり、古くからの飲み友だちでもある前野隆司教授の著書。
    慶応義塾大学システム・デザイン・マネジメント研究科長、脳の科学、幸福学の研究者として、これまでの思考を総まとめした本とみた。
    以前、クリティカル・シンキングを勉強した際に随分と思考方法の本は読んだのだが、前半はまさにそれをなぞったような内容である。
    まさか彼が世の思考法と同じような本を書くわけ無いよな、と思っていたら案の定、哲学的思考も踏まえて深遠な域へと突き進んでいく。
    彼の本業でもあるシステム・デザイン・マネジメント視点からの考え方で捉えると、思考の型には四つの段階があるという。

    1,要素還元型思考
    物事を細かな要素に分解して突き詰める考え方

    2,システム思考
    要素還元型から一歩踏み込み、要素間を統合して全体を論理的に捉える考え方

    3,ポスト・システム思考
    第2段階までの論理的思考では必ずしも到達できない、矛盾を容認しながらも構造を理解する考え方

    4,システム思想
    ・・・

    自分の言葉でまとめてみようと思ったが、哲学的素養の薄い自身にとっては第四段階は正直言って着いて行くのが辛かった。

    実務上システム的な見方が必要となる局面が多いので、ポスト・システム思考までは十分に理解できる。
    特にアーキテクティングと著者の言うシステムの有り様に対する初期の考察には、いつも苦労させられる。
    議論を尽くしても論理的に正解に辿り着くのは難しく、最後はベストではなくベターを求めていくことが重要というのは納得至極だ。

    社会システムではないが、会社での戦略検討にもアコモデーション的な考え方の必要性には頻繁に直面する。
    妥協ではなく合意で局面を乗り越えていくことは、言わば弁証法に似た考え方でもあり、矛盾する複数の事柄を成り立たせるために超越したイノベーションを探すことと同じだと感じた。
    これは普段から所属部門にも言い聞かせていることであり、まさにして得たりと感じた次第である。

    会社内で議論していると、この段階の考え方を理解していない人も多いので、少なくともここまでは皆に読んでおいて貰いたいものだ。

    著者は、このような四段階の中を行ったり来たりしながら、システム的な考え方をまとめていくべきだと主張しているが、第四段階までを理解するのは至難の業ではないだろうか。
    またそこまで考えを尽くす必要がある局面は、どの程度まであるのだろうか。
    そこだけはまだまだ得心の至らぬところである。
    次回飲みに行く時にでも、そのあたりをじっくりとご教示頂くこととしよう。

    ともあれ、システムを生業とされる方には一度は考えて貰いたい思考方法の俯瞰図であると感じた。
    素直に言って、良い仕事だと思った。

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著者プロフィール

慶應義塾大学SDM研究科教授・ウェルビーイングリサーチセンター長、一般社団法人ウェルビーイングデザイン代表理事。1962年山口県生まれ東京工業大学理工学研究科機械工学専攻修士課程修了、キヤノン入社。カリフォルニア大学バークレー校Visiting Industrial Fellow、慶應義塾大学理工学部専任講師、同助教授、同教授を経て2008年より現職。『幸せのメカニズム―実践・幸福学入門』(講談社現代新書)、『幸せな職場の経営学』(小学館)、『ウェルビーイング』(前野マドカ氏との共著・日経文庫)など書著多数。

「2023年 『実践!ウェルビーイング診断』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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