商店街はなぜ滅びるのか 社会・政治・経済史から探る再生の道 (光文社新書)

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本棚登録 : 1037
レビュー : 132
著者 :
かえるさん 新書   読み終わった 

2012/11/16読了。
商店街というものがどのようにして生まれ、そして滅びていったのか、昭和の初期から現在までの政治・経済・社会の動きを追って、零細小売業の歴史を説き明かしていく。なぜ日本はこのような有り様の国になってしまったのか、ということもよく分かる切り口だ。
余談だが私の自宅の近所にはとても良い商店街が残っていて、そこではチェーンスーパーやジャスコなどは及びもつかないプロフェッショナルな個人経営の専門店が繁盛している。
普通のスーパーでは売ってないような、寿司屋か料理屋で食べるような色々な魚を、寿司屋や料理屋よりも遥かに安い値段で提供し、またこちらがこの前食べた魚を覚えていて「今度はこれがオススメ」と調理法と一緒にレコメンドしてくる魚屋。
取次のルート配本そのままではなく目の利いたまともな品揃えの本棚を持ち、店にない本を注文しても神田まで仕入れに行って問屋にあれば翌日には売ってくれるAmazon並みの本屋。(この本屋は新刊や雑誌を買おうとすると「その本はさっき奥様が買っていかれましたよ」と教えてくれるので助かる。)
大震災の後にコンビニでは軒並み売り切れていた乾電池を、たぶん裏の倉庫の在庫を少しずつ出してくれたのだろう、買い占めを防いでみんなに売ってくれた電気屋。
築地や神田に近い、ジャスコが出店できるような広い空き地が近所にないという東京独特の地の利もあるが、こういう本業をまっとうに極めている店はスーパーや同業種のチェーン店と並んでいても滅びていない。
本書では、商店街(零細小売業界)が滅びゆく理由のひとつとして、自民党に圧力をかけて自分たちに有利な規制や支援策をごり押しするという生き延び方に頼り切ってきたことが挙げられているが、そうした延命策に漬からずにきちんと商売のレベルを上げてきた店が繁盛している「例外」を見ると、その主張もなるほどと納得されるのである。

レビュー投稿日
2012年11月16日
読了日
2012年11月16日
本棚登録日
2012年11月11日
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