高い城の男

  • 早川書房 (1984年7月31日発売)
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本棚登録 : 429
感想 : 28

2017/7/30読了。
第二次大戦で勝利したドイツと日本がアメリカを分割統治している世界の冷戦期を舞台にした歴史IFもの。割と好きなテーマなのに名作と名高い本書は未読だった。未読だったことを恥じた。
Amazonのプライム会員になると色々な映像作品をただで見られるサービスがあって、そこで本書のドラマ化作品が配信されていた。制作総指揮がリドリー・スコット。ブレードランナーを知る世代に向けてはうまいマーケティングだ。僕もそこに引っかけられて視聴してみたら、これがなかなか面白くて、というのが本書を読もうと思ったきっかけだ。
今さら僕が何か批評を付け足す必要などないくらいに様々な人々が評してきた作品で、ああみんなが言ってたのはこういうことなのねって追っかけながら読んだ。
一つ感想を加えるならば、本当は戦勝国であるはずのアメリカ人が敗戦国民として描かれているので、「敗戦国民とは何か」がとても分かりやすく印象深く心に残った。敗戦国民としては勉強の足りない恥ずかしいことだが。
さて、Amazonで配信されている本書のドラマ、実はAmazon自身が製作したオリジナルものである。その原作を僕はAmazonのサイトからダウンロードして、Amazonが作ったKindleという機械で読んだ。数年前のAmazon Kindleストアの日本進出を日本の出版業界は「黒船来航」に例えたものだが、果たして黒船程度の例え方で適切だったのだろうか? 物流業界は何に例えてるんだろうか?
というようなことを考えたのも本書のテーマからの連想かもしれない。本書をこういう形で読んだというのは読書体験としては面白いものだった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: SF
感想投稿日 : 2017年7月30日
読了日 : 2017年7月26日
本棚登録日 : 2017年7月26日

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