幸福になりたいなら幸福になろうとしてはいけない: マインドフルネスから生まれた心理療法ACT入門 (単行本)

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レビュー : 23
naonaonao16gさん  未設定  読み終わった 

DaiGoさんが勧めまくっていた作品です。どうやらその影響でamazonでは売り切れてしまったようで。
わたしはといえば、緊急事態宣言が出る直前、自分の職場が確実に休業になると踏んで、まだ在庫がある時に入手して、自粛に備えた。そしてこの本を読んで、生まれ変わって職場に舞い戻ってやろうと決意した。一度にたくさん読み進めるのは結構大変で、少しずつ、ノートを取りながら読んで三週間、やっと読了。

自分が抱えている不安や人間関係においての生きづらさからDaiGoさんの動画を観るようになり、それでマインドフルネスが今の自分にベストなのかなと思い、この本を手に取ることに。
この本の何よりも素晴らしいところは、翻訳本にも関わらず、訳が大変読みやすくわかりやすいという点だ。

常に不安がつきまとって新しいことをするのにしり込みしてしまうとか、人からの評価を気にしすぎてストレスを抱えてしまうとか、そういった人向けなんじゃないかな、という気がする。ちなみにわたしはいずれにも当てはまる。愛着スタイルだって、典型的な不安型だ。

まえがきから結構衝撃的なことが書いてある。
動物が生存し、子孫を残すための本質的な要件として、⓵食糧、②水、③隠れ家、④セックスがある。原始人の心を占める最優先事項は「自分を傷つけそうなものに気を配り、危険を避けること」、つまり「殺されないこと」だ。危険を予知・回避できれば生き残り、子孫を残せる。そして現代人の心は用心し、起こることを評価し、判断するようになった。そして多くの時間を心配事に費やすようになった。

これには結構衝撃を受けた。
人類皆心配性。これは自分だけじゃない。少し安心する。いや、かなり安心する。

そもそもこの本の原書は「The Happiness Trap」つまり「幸福の罠」だ。
「幸福の罠」、つまり幸せになろうなろうとすればするほど、幸せとは真逆の方向を向いてしまうというものだ。例えば、自分の中に不快な感情(例えばイライラ)が発生した時に、その感情を追い払おうとしたり、コントロールしようとする。その時は追い払えても、コントロールした気になっても、またすぐに、同様に不快な感情は襲ってくる。そうすると、またその感情を追い払うために今度はお酒を飲んだり、そうすると睡眠に支障が出たりと、幸福になるために感情をどうにかこうにかしたところで、それは幸福ではなく、不幸の道へ向かっているということだ。

この考え方はすごかった。まさにわたしもこの「幸福の罠」にはまりこんでいた。

わかりやすい事例が載っていた。例えばわたしは、時折高級ホテルのデザートビュッフェに行く。何ヶ月も前から予約をして、行く。一緒に行く友人と約束する際の決まり文句は「おいしいもの食べて、ストレス発散しよう!!!」だ。そう、わたしたちにとってのビュッフェの目的は「ストレス発散」なのだ。根本の原因が「不快な思考・感情から逃れるため」であれば、「楽しむ」ことは難しい。確かに、いくら高級ビュッフェを食べたところで、その余韻が残っている時にはストレスはどこかへ消えている。けれど週も真ん中まで来ると、ビュッフェの前に抱えていたストレスが、ビュッフェなんてなかったかのように、またしてもわたしの中に居座っている。
この本では、「不快な思考・感情から逃れる」ためではなく、ビュッフェを「心から楽しむ」方法を教えてくえる。

そしてまたしても、このループが自分だけが陥っているわけじゃない、という安心感。
「こんなに苦しんでいるのは自分だけなんじゃないか」と思うことはよくあるけれど、読み進めていくうちに「そうそうそう!!!!」と思わざるを得ないことばかりが書き連ねてあった。
「自分は無価値」と思い、少しでも自分に価値があると思いたくて、仕事を一生懸命するあまりに、残業ばかりし、家庭をおざなりにする女性が、事例として出てくる。わたしもそうだった。社会貢献的な仕事に就いて、必死に働いた。もちろんやりたい仕事でもあった。しかし、疲弊した。ある日通勤に支障が出て、その後働けなくなった。なぜその仕事に就いたか。根本は、誰かに、ひいては親に、認められたかったからだ。自分の価値=仕事の価値で決まる、そう思い込んで、社会貢献的な仕事を選んだ。

そういった日々を過ごしてきて思う。価値とはなんだ。
この本の最後では、徹底して、自分の価値に向き合う場面が出てくる。この本を読んでいる間、ずっとノートを取っていたのだけれど、価値に向き合う場面は、字も乱れたし、涙が止まらなくなった。それでも、これまでの、自分なりの心の整理術だとしんどいので、頑張って最後まで読んだ。

緊急事態宣言が、仮に延長して、5月末くらいまでになったとしても、その時には、自分が生まれ変わったと言えるほどの進化はしていないと思う。でも、この本を読み終えて、日々の生活の中で、気付いたことがたくさんあった。マインドフルネスは、気付いた瞬間に実践できる。だからこれからは気付いたらすぐに実践して、っていうのを繰り返していくしかない。

次の著作「相手は変えられない ならば自分が変わればいい」も、ステイホーム期間中に読もうと思っている。かなり疲れるかもしれないけれど。

レビュー投稿日
2020年4月30日
読了日
2020年4月30日
本棚登録日
2020年2月15日
38
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