日本の地霊(ゲニウス・ロキ) (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2017年3月25日発売)
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ある土地が持つ気配や記憶の総称である「ゲニウス・ロキ」。続編の本書では、建築物の意味の読み解きに力がそそがれている。

とくに興味深かったのは、丹下健三が設計した広島の平和記念公園。原爆ドームを頂点として軸線上に並ぶ一連の建築は、一見インターナショナルなようでいて日本の伝統建築の技法に根差していること。そして実は同じ広島の厳島神社を模した構造になっている(島自体が聖なる存在であり、そこに向かって鳥居ごしに祈りをささげる)ということ。

「・・・丹下健三が日本建築の伝統のなかから汲み取ったものは、さまざまな次元における空間構成の手法、さまざまな部分に現われる造形モチーフだけでなく、その根底に存在している場所性の表現という性格なのである。それは、建築物が構想されるまさに出発点において、その建物が建てられなければならなかった根本原理が、場所の性格と可能性、すなわち地霊(ゲニウス・ロキ)の発見にあるということを、彼が知っていたことを示している」(P.46)

設計コンセプト、とかいう次元ではない。「建てられなければならなかった根本原理」である。そこまで立ち戻らねばならないほどの力を土地はもっている、ということだろうか・・・。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 評論、批評
感想投稿日 : 2019年1月5日
読了日 : 2019年1月1日
本棚登録日 : 2019年1月1日

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