イラストで見る昭和の消えた仕事図鑑

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本棚登録 : 178
レビュー : 24
著者 :
naosunayaさん 社会   読み終わった 

赤帽、貸本屋、天皇のご真影屋・・・大正、昭和の前半くらいまでは見られたが今はなくなってしまった多くの職業を見開きイラストつきで紹介した興味深い本。

個人的に一番インパクトがあったのが「新聞社の伝書鳩飼育係」。イノベーションというのは一にも二にも「コミュニケーションと軍事」だったのだなと(伝書鳩はもとは軍用で民生転換されたもの)。丹精込めて育てた鳩を「予備」も含めて5羽を同時に放ち、全部帰ってくるのが一番の喜びだった、とか妙に胸に迫る。昭和30年代までは残っていたらしい。

一つ気になったのは、「昔は貧しくても地域の会話があった。現代が忘れてしまったものがここにはある」というよくあるタイプの総括。

例えばスラム街の空き缶拾い、大学時代、開発経済学のゼミでフィリピンのスラムにホームステイしたときに実際たくさんいた(スカベンジャーと呼ばれる)。別に失われた仕事ではない。確かに大家族で思いのほか明るかったが、かと言って仕事でのコミュニケーション(?)を楽しんでいたわけではない。

当時も今と同じく人生は生きづらいものだっただろうし、リア充アピールはうざかっただろう。そして、ちょっとした会話で知らない人と心が通う瞬間は楽しいものだっただろう。

過去を理想化する小道具としてのノスタルジーに安易に浸ってはいけない、そんな感想も持った一冊であった。

レビュー投稿日
2019年1月2日
読了日
2019年1月2日
本棚登録日
2019年1月1日
2
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