面白いのは面白いけど、帯に「エンタメ・ノンフィクション」と銘打ってあることから明らかなように、スポーツ新聞の記事が本1冊分になったくらいの感じ。おもしろいけど。

2024年2月12日

読書状況 読み終わった [2024年2月12日]

危機管理の本。
豊富な経験を持つ筆者が興味深い事例や教訓を多数書いており、内容としてはたいへん面白い。
一方で筆者の「オレは危機管理をよくわかっている」「あいつらはわかっていなくてダメだ」といった自意識が全ての段落からにじみ出ており、読むのがしんどい。
事実と教訓を淡々と書いてくれればよいものを自意識ダダ漏れで書くものだから、飲み会で会社の重役からありがたいお話を賜っている気分になってくる。通常の人には知り得ない世界の話がたくさんあって内容は面白いのに興ざめだった。

2023年11月30日

読書状況 読み終わった [2023年11月30日]

先の戦争を引き合いにだしたリーダー論。
学ぶべきところは多々あるが、年寄りの後知恵を延々聞かされることへの嫌悪感をどうにかして抑える必要がある。

2023年9月24日

読書状況 読み終わった [2023年9月24日]
カテゴリ ビジネス書

アルツハイマー病研究の歴史を振り返り、断罪する本。

アミロイドプラークが脳に蓄積することがアルツハイマー病の原因であるという説に拘泥して他の仮説を排斥した結果、根治に向けた研究が全く進まず、15年を無駄にしたと著者は嘆く。
2021~2022年に承認されたレカネマブもアデュカヌマブもこのアミロイドを除去することを主眼においた薬で、病気の進行をわずかに抑える程度の効果しかなく、批判的に触れられている。
説得力がありながらも門外漢にも理解できるわかりやすさとほどよいユーモアで読みやすいが、途中の数章は痛烈に過去の研究を批判しており、いずれも「こんなやり方で人間の疾患を研究できるはずがない。」という印象的なフレーズで結ばれている。筆者は今後の研究の進め方について提言をしているが、その一方でアルツハイマー病のニュースを調べると、アミロイドを除去する新薬が出来たという報道しか見当たらず、暗澹とした気持ちになる。

関連する本を他に読んだこともない私がこの本を読むとアルツハイマー病の研究には明らかな問題があるように思われてくるが、少しWebで検索したくらいでは同様の主張というのはあまり見られない。従ってこの本の医学的な主張を真に受けてよいのかどうかはいったん留保する方がよさそうに思われる。ただしこの本の医学的な主張は、アミロイドが直接の原因になっているという単純なモデルはさっさと捨てて、もっと複雑なシステムをモデリングして広い視点から様々な仮説を立て、広汎な基礎研究をすべきだ、というものである。○○でアルツハイマー病が治る!といった安易な解を一切匂わせないという点で、この本の信頼度はとても高いと感じられる。いずれにせよ、もう少し他の立場からの見解をまとまった分量で読みたくなる。

一般的な失敗の構造として捉えるなら、相関と因果を取り違えて(あるいは違いを無視して)、また様々な仮説を吟味せず棄却することで袋小路にはまりリソースを浪費したということになるだろう。著者もアミロイドの蓄積がアルツハイマー病の発症と相関を持つことは認めていて、この点は何度も強調している。ただ因果が全くわかっていないことをなぜ突き詰めなかったのか、というのが指摘であり、これは著者の言うとおり臨床医師と研究者の根本的な考え方の違いによるところもあるのだろう。
我が身を振り返って考えると、現場のエンジニアというのはある意味で臨床医師に近いところがあり(「目の前に困っている顧客がいる」)、要求された機能・性能を満たすプロダクトを納期までに完成させることが第一義となりがちである。性能の理論的な検証やバグがないことの論理的な裏付けは二の次となることも多かった。ビジネスや組織の要求と真実の追究のバランスは常に難しいものがあり、他山の石としたい。

2023年9月11日

読書状況 読み終わった [2023年9月11日]
カテゴリ 医学

※ネタバレ

いやーミステリとしては面白いんだけどこの結末は倫理的にどうなん?と思ってしまう。
後書きで筆者が書いているが、女性の被害の訴えに対する警察の動きの鈍さへの怒りが原動力になったとのことで、明らかに警察への不信が根底にある。
で、主人公は警察が頼れないからと違法行為に出て自力救済するわけなのだが、こういった自力救済自体はテーマとして広く受け入れられているといえる。それがなんでこの作品だと倫理的にどうなんだと言いたくなるかというとひとえにこの作品にリアリティがありすぎるからだと思う。
リアリティがあるというのは作品の設定に対する褒め言葉でもあるのだが、随所に(率直に言って不必要なほどに)実在の固有名詞が使われており(マクドナルド、ノキア、Gmail、Soundcloud、etc.)、物語の世界が読者の世界と地続きであることを強く意識させる。これも現実世界の司法の問題を提起したいという作者の意図通りの効果なのだとは思うが、副作用として倫理的な疑問をもつことにつながっているように思う。
そのあたりを含め、ギリギリ爽快感が得られる際どいラインを狙ったのだろうという感じで、人を選ぶだろう。
純粋なエンターテインメント作品を期待するのはやめたほうがいい。

2023年8月21日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2023年8月21日]
カテゴリ ミステリ

家庭内で行われるケア(経済学者の夕食を作るなど、「女性の仕事」とされているもの)は経済の論理では存在しないものとされ、GDPにも参入されない。このうえで「経済人」概念に代表される経済学の論理に基づく新自由主義が世界を席巻し、競争をベースにした発展があらゆる分野で正当化されてきたため、個人は「経済人」として振る舞うしかなく、それ以外の面は存在しないものとする苦痛を受けている。
こういった経済における人間性(特に、人間同士のつながり、相互のケア)の無視により、ケアを押しつけられがちな女性は経済的に大きなハンデを背負っている。そして、男性もまた自らの人間性を抑圧することで不幸を感じている(と申し訳程度に述べている)。
フリーランチが存在しないのと同様、無料のケアも存在しない。
経済人という幻想に縋るのをやめ、弱さを認め、自分の居場所を探すように生きるべきだ。

といった著者の主張には大いに同意できるし、共働きで仕事と育児に汲々としている身には共感できる点も多い。共働き女性の問題意識もこのあたりにあろうし、人手不足がケアワーカーで顕著なのも無関係ではあるまい。

では我々はどうすればいいのかと考えるも、よくわからない。経済人から脱却しろといわれても、周りが「経済成長」する中でそれに背を向けるのは容易ではない。収入が減るのは嫌だ。つまるところ身の回りでできることを少しずつやっていくしかないのだろう。
私は会社で「立場のある男性」に近づきつつあり、(通常、勲章とされている)欠席しづらい会議やすぐに応答しなくてはいけない問い合わせが山ほどあるが、子供ができて以来、家庭を優先するという立場を明確にしている(経済的には損失も発生していると思う)。これは個人の価値観の問題であるためこれ自体を推奨したり、まして啓蒙するということは考えていないが、そのような行動をとっても大丈夫だ、自然なことなのだ、というメッセージを下の世代に伝えていきたいとは思う。

このように主張については同意するものの、フェミニストらしい書きぶり(褒めてはいない)で「経済人」概念のありふれた批判をしている部分が半分くらいを占めるので、前半は読んでいて苦痛だった。

2023年8月17日

読書状況 読み終わった [2023年8月17日]
カテゴリ フェミニズム

前作同様、ほとんどの登場人物を含むあらゆる設定や舞台装置が単に密室を描くためだけに存在していて、もはや通常の小説としての体裁はかなぐり捨てているようにさえ見える。
にも関わらず殺人と謎解きがテンポ良く進んでいく快感がすばらしく、ある意味では純粋なミステリの体験といえるかもしれない。
次回作がもしあるなら、喜んで買う所存です。

2022年12月12日

読書状況 読み終わった [2022年12月12日]
カテゴリ ミステリ

インターネットに関する授業で、ASが最上位の存在としてあり、BGPで相互に接続されているという説明は聞いていたが、具体的に何がどうなって繋がっている(あるいは繋がらないでいる)のかは全く理解していなかった。そのあたりのぼんやりしたところの一端を見せてくれる本。

2022年8月25日

読書状況 読み終わった [2022年8月25日]
カテゴリ ネットワーク

コロナ禍のエッセイ。

私もこの時代に感じたことを記録しようと思って折に触れてブログを書いていたのだが、そのようなものは全く不要であった。綿矢りさがその感性をもって書いてくれていたのだから。

2021年10月3日

読書状況 読み終わった [2021年10月3日]
カテゴリ エッセイ

並行プログラミングを理解・運用するためには広汎な分野の知識が必要となる。つまり難しい。
同期処理(排他等)、非同期処理(Rustのasync/await等)、マルチタスク(コンテキストスイッチ、スケジューリング等)、並行計算モデルといった、並行プログラミングに必要な知識がこの本にはコンパクトにまとまっている。こういった書籍はあまり見かけないと思うので、並行プログラミングに携わるなら読んで損はない良い本だと思う。
並行処理を実装するにあたり、本質的に難しいポイントを(少なくとも読む前よりは)意識できるようになった。

一方で、実用アプリケーションを実装するための即戦力あるいはチートシートのような内容は含まれない。この意味では、「入門」というよりは「基礎理論」といった方が内容を表すのには近いかもしれない。
説明は基礎から丁寧になされているので、決して上級者向けということではないが、C/アセンブリ/RustやAArch64、λ計算などについては多少の前提知識があった方が理解が進むだろう。

ちなみに図やたとえ話が、なんというかやや独特の感性で書かれているので、あまり理解の助けにならない印象ではあった。また文体が硬く、慣れない人は面食らうかもしれない。

2021年10月3日

読書状況 読み終わった [2021年10月3日]
カテゴリ プログラミング

2部に分かれていて、前半はストレージエンジンについて。Bツリーを基本とする多種のデータ構造と、それをストレージ上に配置する各種手法について。
後半は分散システムについてで、通信から分散トランザクション、合意アルゴリズムについて。

それぞれの要素について数多くの種類が説明されていて、基礎知識の無い私からするとデータベースマニアが書いた本という感じを受ける(褒めています)。あらゆる分野で先人の努力があってアルゴリズムが発達してきたことを感じられる素晴らしい本。

余談だが、個別の議論については他分野とリンクする部分も多い。たとえばキャッシュに関する議論についてはCPUのデータキャッシュの議論と共通する部分があるし、スパニングツリーはネットワーク分野で標準化されている。こういった内容を狭く深く扱う本があれば読んでみたい(たとえばあらゆる分野のキャッシュを広く論じた「キャッシュ」みたいな本)。

2021年8月23日

読書状況 読み終わった [2021年8月23日]
カテゴリ データベース

いい、じつにいい。最高。くらいしか言えることがない。ミステリなので……

2021年7月20日

読書状況 読み終わった [2021年7月20日]
カテゴリ ミステリ

ブルシット・ジョブ(社会的に無意味であると本人が思っているような苦痛を感じる仕事)に関する幅広い論考。

中でも、ブルシット・ジョブは富の分配(取り合い)に伴って生じてくるという話には大いに納得した。
生活保護の審査をしているひとたちや、大学の競争的資金の管理をしているひとたちが例として上がっていたが、私の身近なところでは会社の定期代や経費の支出に関わっているたくさんの人たちのことが想起される。

ここだけ切り取ると安易に社会主義・共産主義に走るような本なのかと不安に思うかもしれないが、安心してほしい。ブルシット・ジョブにはたくさんの種類があるし(なくてもよいのに……)、出てくる個々の体験談には誰にでも共感できる程度のものから、信じられないものまであり大変おもしろい。

思い返せば私が就職するときにコンサルとか金融業界とかに行きたくないと思っていた理由は業界自体がブルシットなものに見えていたからだ。結果として私はその道に進むことはなく、実際にブルシットな目に遭っていたかは定かではない。その後の10年間、外から見ている限り、彼らの仲間になりたいと思うことはただの一度もなかったが。

報酬にも仕事内容にも一定程度満足している現状のありがたみを感じられる一冊であった。

2021年7月18日

読書状況 読み終わった [2021年7月18日]
カテゴリ その他

校正者のエッセイ。半分は普通のエッセイ、もう半分が文法にまつわるエッセイといった感じ。
エッセイはユーモアに溢れていてとても面白く、文法の話も英語に明るくない私にもわかるように書かれて(訳されて)いる。総じてめちゃくちゃおもしろい。

装幀もほんとうに素敵なので、紙で買ってよかったと思える。

2021年7月4日

読書状況 読み終わった [2021年7月4日]
カテゴリ エッセイ

システム障害対応にフォーカスした本は読んだことがなかったので、興味深く読んだ。

2021年6月7日

読書状況 読み終わった [2021年6月7日]
カテゴリ 運用

SOLID原則をはじめとした設計について。DI推し。

2021年6月7日

読書状況 読み終わった [2021年6月7日]
カテゴリ 設計

朝日新聞のような自称リベラル識者のひとたちの意見に対してロジカルに批判する、リベラルとしての矜持を感じる本。

いくつかあがっていた論点のうちの一つのフェミニズムを例にとると、著者はラディカル・フェミニズムとリベラル・フェミニズムの違いを述べてラディカル・フェミニズムの欺瞞を告発する。このあたりはかねてからリベラル・フェミニズムに思想が近いと思っている私にとって大いに首肯するところであった。

当然ながら私の意見と合わない主張も出てくるものの、話の筋は通っていて読んでいて勉強になると感じた。Web上にあふれる稚拙な論考とは(当然ながら)一線を画している。

ところで、ある章が「二〇二一年は風流夢譚事件から六十年、である。」というなんとも思わせぶりな文章で結んである。こういった文章の書きっぷりに(あまりよい意味ではない)”朝日っぽさ”を感じるのだが、気のせいだろうか。

2021年5月3日

読書状況 読み終わった [2021年5月3日]
カテゴリ その他

伝説の名著が改版されたのでまた買って読んでいる。私は仮にもプログラマとして10年くらいやっているので、想像も付かないような内容というのはほとんど出てこない。口の悪い人なら当たり前のことばかりが書いてあると言うかもしれない。出てくる項目はほとんどすべて、「わかる、そういうことあるよね、、、」となるようなことばかりだ。

しかし、ここに書いてあることをすべて暗記して常に述べられるようにするというのは簡単なことではない。「言われれば思い出す」ような教訓がいつでも手に取れる状態で良くまとまっていれば、それは拠り所として常に私たちを助けてくれることだろう。

2020年12月31日

読書状況 読み終わった [2020年12月31日]
カテゴリ プログラミング

分不相応な「夢」を掲げて資金を集め、不可能なエベレストに挑み続けて命を落とした「登山家」の話。

栗城氏が存命中に「夢」というエンターテインメントとして消費されていたとするなら、これは「死」をエンターテインメントとして彼を消費する本だと感じる。

読後感が悪いのは登山家氏の生き様が悲惨だったからではなく、醜悪なコンテンツ消費社会の一端を読者たる自分が担っているからだと気づかされるせいだろう。

2020年12月14日

読書状況 読み終わった [2020年12月14日]

良かった……

2020年11月18日

読書状況 読み終わった [2020年11月18日]
カテゴリ 小説

連合軍によるパリの解放から第四共和政の終焉までを濃密に描いている。期待に違わず、膨大な資料から大きな流れが描かれているすばらしい本。

占領や解放、困窮、アメリカ文化の流入に対する反応のひとつひとつにパリの人の気質や文化にかけるプライドを感じられ、現代のフランスにたいするイメージと似ているところがあると感じる。

本書の主題とややずれるが、パリ解放からの成り行きがワルシャワのそれと対称を成しているように感じられてならない。
パリは(ヴィシー体制の対独協力のおかげかはともかくとして)町としての体裁を保ったまま解放されて文化は生き残ったが、ポーランドのようにドイツの支配に徹底抗戦していたらはたしてどのようになっていたのかという疑問が浮かぶ。
もちろんこの差異には背後にいたのがソ連だったのか米英だったのかという非常に大きな差をはじめさまざまな要因があったには違いないが、非常に興味深い。

2020年8月10日

読書状況 読み終わった [2020年8月10日]
カテゴリ 歴史

筋書きのリアリティはともかくとして、トランプとその側近の、いかにもありそうなやりとりが最高に笑える

2020年8月1日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年8月1日]
カテゴリ 小説

学生運動当時を振り返ってフラットに書かれたノンフィクションを期待していたのだが、どうも違った本だったようだ。

ベトナム反戦を掲げながらなぜか暴力闘争に傾倒していき、そして機動隊に敗北するまでの経験が書かれているのは間違いない。参考文献の引用も多い(この手の常として動員された人数の根拠が甘いように思うが)。この意味では資料として興味深く読める。機動隊に効果があったのは火炎瓶であるとか、そういった事実の部分を抽出するとかなり面白く読めるだろう。

しかし内容は徹底して美化され、ときに自己憐憫をまじえ、とにかく自分たちを正当化した形で語られる。
たとえば序盤ではゲバ棒を持って米軍基地に迫っておきながら、放水と催涙ガスで返り討ちにされたら「同胞になんたる仕打ちか」と国を責める。終盤ではけが人が出たことについて機動隊を徹底して罵倒しているが、そもそも不当に講堂を占拠したのは自分たちである。合間には、市民やノンポリ・右翼の学生に応援されたエピソードをこれでもかと挟んでくる。自分たちは国を向こうに回して命を賭けて戦った青年たちであった、というスタンスを崩さない書きっぷりは天晴れだ。この熱量を30年経っても維持しているところは驚嘆に値する。

ベトナム戦争でホーチミンが云々という話が随所に挟まるが、筆者たちの闘争からは特に社会主義思想は感じられず、大学の気にくわないところ(医学部の制度やずさんな会計、酷い一般教養課程など、それぞれは納得できる問題だとは思うが)の改善を求めて暴力に訴え、結果敗北したという話のように思われる。いったい何をどう考えたら本当に命や国を賭けて戦ったベトナムの人たちと自分たちを同一視できるのか不思議に感じる。

総じて、バブル後に生まれた世代としては、この本を読んで筆者たち(最後まで武力闘争に先鋭化していった集団)に共感するのは不可能に近い。他方、筆者のいう「大人たち」が彼らをどう見ていたのかというのは容易に想像がつく。まさか、当時の大人たちの視点を体感できる本だとは思わなかったが、その意味で非常に興味深かった。
単に私も30を過ぎて単につまらない体制側の大人になってしまったというだけなのかもしれないが、これを10年前に読んでいたとして違った感想になったかは大いに疑わしいものだ。

2020年7月8日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年7月8日]
カテゴリ 自己啓発

アウシュヴィッツからイタリアに生還した筆者の、解放から帰国までの旅路について。様々な人間が非常に、非常に豊富な表現で、ときにユーモアを交え描かれておりすばらしい。

(本題からは外れるが)ナチスの蛮行によりこのような才能がどれだけ葬られたのかと考えるとつらい気持ちになる。

2020年6月22日

読書状況 読み終わった [2020年6月22日]
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