インターネットに関する授業で、ASが最上位の存在としてあり、BGPで相互に接続されているという説明は聞いていたが、具体的に何がどうなって繋がっている(あるいは繋がらないでいる)のかは全く理解していなかった。そのあたりのぼんやりしたところの一端を見せてくれる本。

2022年8月25日

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カテゴリ ネットワーク

コロナ禍のエッセイ。

私もこの時代に感じたことを記録しようと思って折に触れてブログを書いていたのだが、そのようなものは全く不要であった。綿矢りさがその感性をもって書いてくれていたのだから。

2021年10月3日

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カテゴリ エッセイ

並行プログラミングを理解・運用するためには広汎な分野の知識が必要となる。つまり難しい。
同期処理(排他等)、非同期処理(Rustのasync/await等)、マルチタスク(コンテキストスイッチ、スケジューリング等)、並行計算モデルといった、並行プログラミングに必要な知識がこの本にはコンパクトにまとまっている。こういった書籍はあまり見かけないと思うので、並行プログラミングに携わるなら読んで損はない良い本だと思う。
並行処理を実装するにあたり、本質的に難しいポイントを(少なくとも読む前よりは)意識できるようになった。

一方で、実用アプリケーションを実装するための即戦力あるいはチートシートのような内容は含まれない。この意味では、「入門」というよりは「基礎理論」といった方が内容を表すのには近いかもしれない。
説明は基礎から丁寧になされているので、決して上級者向けということではないが、C/アセンブリ/RustやAArch64、λ計算などについては多少の前提知識があった方が理解が進むだろう。

ちなみに図やたとえ話が、なんというかやや独特の感性で書かれているので、あまり理解の助けにならない印象ではあった。また文体が硬く、慣れない人は面食らうかもしれない。

2021年10月3日

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カテゴリ プログラミング

2部に分かれていて、前半はストレージエンジンについて。Bツリーを基本とする多種のデータ構造と、それをストレージ上に配置する各種手法について。
後半は分散システムについてで、通信から分散トランザクション、合意アルゴリズムについて。

それぞれの要素について数多くの種類が説明されていて、基礎知識の無い私からするとデータベースマニアが書いた本という感じを受ける(褒めています)。あらゆる分野で先人の努力があってアルゴリズムが発達してきたことを感じられる素晴らしい本。

余談だが、個別の議論については他分野とリンクする部分も多い。たとえばキャッシュに関する議論についてはCPUのデータキャッシュの議論と共通する部分があるし、スパニングツリーはネットワーク分野で標準化されている。こういった内容を狭く深く扱う本があれば読んでみたい(たとえばあらゆる分野のキャッシュを広く論じた「キャッシュ」みたいな本)。

2021年8月23日

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カテゴリ データベース

いい、じつにいい。最高。くらいしか言えることがない。ミステリなので……

2021年7月20日

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カテゴリ ミステリ

ブルシット・ジョブ(社会的に無意味であると本人が思っているような苦痛を感じる仕事)に関する幅広い論考。

中でも、ブルシット・ジョブは富の分配(取り合い)に伴って生じてくるという話には大いに納得した。
生活保護の審査をしているひとたちや、大学の競争的資金の管理をしているひとたちが例として上がっていたが、私の身近なところでは会社の定期代や経費の支出に関わっているたくさんの人たちのことが想起される。

ここだけ切り取ると安易に社会主義・共産主義に走るような本なのかと不安に思うかもしれないが、安心してほしい。ブルシット・ジョブにはたくさんの種類があるし(なくてもよいのに……)、出てくる個々の体験談には誰にでも共感できる程度のものから、信じられないものまであり大変おもしろい。

思い返せば私が就職するときにコンサルとか金融業界とかに行きたくないと思っていた理由は業界自体がブルシットなものに見えていたからだ。結果として私はその道に進むことはなく、実際にブルシットな目に遭っていたかは定かではない。その後の10年間、外から見ている限り、彼らの仲間になりたいと思うことはただの一度もなかったが。

報酬にも仕事内容にも一定程度満足している現状のありがたみを感じられる一冊であった。

2021年7月18日

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カテゴリ その他

校正者のエッセイ。半分は普通のエッセイ、もう半分が文法にまつわるエッセイといった感じ。
エッセイはユーモアに溢れていてとても面白く、文法の話も英語に明るくない私にもわかるように書かれて(訳されて)いる。総じてめちゃくちゃおもしろい。

装幀もほんとうに素敵なので、紙で買ってよかったと思える。

2021年7月4日

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カテゴリ エッセイ

システム障害対応にフォーカスした本は読んだことがなかったので、興味深く読んだ。

2021年6月7日

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カテゴリ 運用

SOLID原則をはじめとした設計について。DI推し。

2021年6月7日

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カテゴリ 設計

朝日新聞のような自称リベラル識者のひとたちの意見に対してロジカルに批判する、リベラルとしての矜持を感じる本。

いくつかあがっていた論点のうちの一つのフェミニズムを例にとると、著者はラディカル・フェミニズムとリベラル・フェミニズムの違いを述べてラディカル・フェミニズムの欺瞞を告発する。このあたりはかねてからリベラル・フェミニズムに思想が近いと思っている私にとって大いに首肯するところであった。

当然ながら私の意見と合わない主張も出てくるものの、話の筋は通っていて読んでいて勉強になると感じた。Web上にあふれる稚拙な論考とは(当然ながら)一線を画している。

ところで、ある章が「二〇二一年は風流夢譚事件から六十年、である。」というなんとも思わせぶりな文章で結んである。こういった文章の書きっぷりに(あまりよい意味ではない)”朝日っぽさ”を感じるのだが、気のせいだろうか。

2021年5月3日

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カテゴリ その他

伝説の名著が改版されたのでまた買って読んでいる。私は仮にもプログラマとして10年くらいやっているので、想像も付かないような内容というのはほとんど出てこない。口の悪い人なら当たり前のことばかりが書いてあると言うかもしれない。出てくる項目はほとんどすべて、「わかる、そういうことあるよね、、、」となるようなことばかりだ。

しかし、ここに書いてあることをすべて暗記して常に述べられるようにするというのは簡単なことではない。「言われれば思い出す」ような教訓がいつでも手に取れる状態で良くまとまっていれば、それは拠り所として常に私たちを助けてくれることだろう。

2020年12月31日

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カテゴリ プログラミング

分不相応な「夢」を掲げて資金を集め、不可能なエベレストに挑み続けて命を落とした「登山家」の話。

栗城氏が存命中に「夢」というエンターテインメントとして消費されていたとするなら、これは「死」をエンターテインメントとして彼を消費する本だと感じる。

読後感が悪いのは登山家氏の生き様が悲惨だったからではなく、醜悪なコンテンツ消費社会の一端を読者たる自分が担っているからだと気づかされるせいだろう。

2020年12月14日

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良かった……

2020年11月18日

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カテゴリ 小説

連合軍によるパリの解放から第四共和政の終焉までを濃密に描いている。期待に違わず、膨大な資料から大きな流れが描かれているすばらしい本。

占領や解放、困窮、アメリカ文化の流入に対する反応のひとつひとつにパリの人の気質や文化にかけるプライドを感じられ、現代のフランスにたいするイメージと似ているところがあると感じる。

本書の主題とややずれるが、パリ解放からの成り行きがワルシャワのそれと対称を成しているように感じられてならない。
パリは(ヴィシー体制の対独協力のおかげかはともかくとして)町としての体裁を保ったまま解放されて文化は生き残ったが、ポーランドのようにドイツの支配に徹底抗戦していたらはたしてどのようになっていたのかという疑問が浮かぶ。
もちろんこの差異には背後にいたのがソ連だったのか米英だったのかという非常に大きな差をはじめさまざまな要因があったには違いないが、非常に興味深い。

2020年8月10日

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カテゴリ 歴史

筋書きのリアリティはともかくとして、トランプとその側近の、いかにもありそうなやりとりが最高に笑える

2020年8月1日

ネタバレ
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カテゴリ 小説

学生運動当時を振り返ってフラットに書かれたノンフィクションを期待していたのだが、どうも違った本だったようだ。

ベトナム反戦を掲げながらなぜか暴力闘争に傾倒していき、そして機動隊に敗北するまでの経験が書かれているのは間違いない。参考文献の引用も多い(この手の常として動員された人数の根拠が甘いように思うが)。この意味では資料として興味深く読める。機動隊に効果があったのは火炎瓶であるとか、そういった事実の部分を抽出するとかなり面白く読めるだろう。

しかし内容は徹底して美化され、ときに自己憐憫をまじえ、とにかく自分たちを正当化した形で語られる。
たとえば序盤ではゲバ棒を持って米軍基地に迫っておきながら、放水と催涙ガスで返り討ちにされたら「同胞になんたる仕打ちか」と国を責める。終盤ではけが人が出たことについて機動隊を徹底して罵倒しているが、そもそも不当に講堂を占拠したのは自分たちである。合間には、市民やノンポリ・右翼の学生に応援されたエピソードをこれでもかと挟んでくる。自分たちは国を向こうに回して命を賭けて戦った青年たちであった、というスタンスを崩さない書きっぷりは天晴れだ。この熱量を30年経っても維持しているところは驚嘆に値する。

ベトナム戦争でホーチミンが云々という話が随所に挟まるが、筆者たちの闘争からは特に社会主義思想は感じられず、大学の気にくわないところ(医学部の制度やずさんな会計、酷い一般教養課程など、それぞれは納得できる問題だとは思うが)の改善を求めて暴力に訴え、結果敗北したという話のように思われる。いったい何をどう考えたら本当に命や国を賭けて戦ったベトナムの人たちと自分たちを同一視できるのか不思議に感じる。

総じて、バブル後に生まれた世代としては、この本を読んで筆者たち(最後まで武力闘争に先鋭化していった集団)に共感するのは不可能に近い。他方、筆者のいう「大人たち」が彼らをどう見ていたのかというのは容易に想像がつく。まさか、当時の大人たちの視点を体感できる本だとは思わなかったが、その意味で非常に興味深かった。
単に私も30を過ぎて単につまらない体制側の大人になってしまったというだけなのかもしれないが、これを10年前に読んでいたとして違った感想になったかは大いに疑わしいものだ。

2020年7月8日

ネタバレ
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カテゴリ 自己啓発

アウシュヴィッツからイタリアに生還した筆者の、解放から帰国までの旅路について。様々な人間が非常に、非常に豊富な表現で、ときにユーモアを交え描かれておりすばらしい。

(本題からは外れるが)ナチスの蛮行によりこのような才能がどれだけ葬られたのかと考えるとつらい気持ちになる。

2020年6月22日

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執筆当時、ふがいない連合国のせいでソ連について書くことを許されなかったという事情を差し引いても壮絶な話だった。個人の視点に徹して書かれているが故に迫ってくるものがある。

ちなみに、この本はレジスタンスのメンバーであったカルスキの活動についての体験全体について書かれた本で、ナチスのユダヤ人収容所に潜入したことはその活動の一部である(最も強い印象を残す場面ではあるが)。「私はホロコーストを見た」という書名にはあまり感心しない。

2020年6月20日

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カテゴリ 歴史

壮絶な蜂起の終焉と、その後のソ連の過酷な支配について。そして長く待ち望まれた自由民主主義国家の樹立に至るまでが、上巻とかわらず詳細に書かれている。

2020年6月13日

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カテゴリ 歴史

ナチスドイツがポーランドを苛烈な占領下においているところに、ソ連が攻め入ってきたタイミングで起きた1944年のワルシャワ蜂起に焦点をあてた歴史の本。

蜂起に至るまでのいきさつや周辺環境、前提知識を詳しく説明してあるのも良いし、また関連国の主要人物の行動や意思決定の経緯が詳細に記述されている。そして多数ある囲みはで個人個人(市民、国内軍兵士、ドイツ軍兵士……)の体験談が綴られている。とにかく、ポーランドの過酷な歴史と壮絶な蜂起の描写が圧巻だった。

ただの戦闘の記録にとどまらない、濃密な歴史が描かれた大作。

2020年6月6日

読書状況 読み終わった [2020年6月6日]
カテゴリ 歴史

今をときめく消毒用エタノールや市販の消毒薬を含めた各種消毒薬について、どんな効果がありどんな対象に使ってよいのか、欠点や注意点を含めてギリギリ素人にわかる程度に書いてあるので勉強になる。
少なくとも昨今蔓延っている成分の怪しい自称消毒薬や空間除菌などと称するでたらめな製品にだまされづらくなると思うし、正しく恐れる手助けになる。

2020年5月30日

読書状況 読み終わった [2020年5月30日]
カテゴリ 医学

NGNわけわからん、普通にv6使わせてくれと思っていた何もわかっていない私でもざっとv6プラスのことがわかるくらいにはわかりやすくて良かった。

NATの存在でいろいろな問題が起きていることはなんとなくわかっていたが、似たような構造(CGN)がISPレベルにもありそのためにいろいろな提案がされていてDS-Liteからv6プラスに至った、など勉強になる内容がコンパクトに書かれている良い本だった。

2020年5月30日

読書状況 読み終わった [2020年5月30日]
カテゴリ ネットワーク

RISC-Vのアーキテクチャについて先行のアーキテクチャ(主にMIPS, ARM, x86系)と比較しながら解説した本。

一貫して既存アーキテクチャに対する単純さを重視していることをアピールしてくる。少なくともARMやx86系が非常に複雑であることは理解できたし、RISC-Vがシンプルにできているということもよくわかった。

それぞれの命令が何に使うのか、またどういう意図で設計されているのかはわかったが、もう少し高次な、たとえば複数の命令を組み合わせて頻出する操作を実現する場合のアーキテクチャ間の比較等があると読み応えがあったかもしれない(コンパイラを作ったこともない私に理解できれば、だが)。

2020年5月26日

読書状況 読み終わった [2020年5月26日]
カテゴリ 計算機

COVID-19が蔓延している時世に読むのは悪くない選択だったように思う。

パンデミック小説といえば感染症に対する社会の機能的な応答が描かれると思うが、本書はそういう話ではない。感染症への対策が失敗した社会がどのように変容するかを描いたディストピア小説だ。それも最高の。

2020年4月11日

ネタバレ
読書状況 読み終わった [2020年4月11日]
カテゴリ SF
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