ジョジョリオン 5 (ジャンプコミックス)

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本棚登録 : 1302
レビュー : 83
著者 :
架空さん コミック   読み終わった 

常秀のスタンド「ナット・キング・コール」は確かに「スティッキィ・フィンガーズ」という過去の人気スタンドを思わせるところがあるが、彼のスタンドが「活躍する」のはずっと後のことであるように思うし、そのときはスタンド自体が成長して別モノになっているかもしれない。
 
常秀に限らないが、ジョジョリオンにおけるスタンドは、所有者の不安・欠損感・怯えが能力になっている。足りないから欲しい、が定助や大弥。つらさを他者になすりつけるのが常秀・虹村だ。安心できず、一体感のないバラバラの身体をムリヤリ繋ぎ止めている…それが正常な繋がり方でないとしても…そんな渇きが形になったものが「ナット・キング・コール」だと思った。
 
定助や吉良の先祖にあたる存在・ジョニィに死をもたらした妻の病もまた、ジョジョリオンで繰り返し問題になる「記憶の欠損・喪失」に関わるもの。それは過去・歴史の積み重なり、地層のようなもの。それを失うと人は自分が何者なのかわからなくなり、不安定になり、弱っていく。
 
そして何かを奪ったり、失わせたりした大本の存在は既にこの世にいないのに、奪い続ける力や失わせ続ける力(「オータム・リーヴス」)だけは生きていて、人々はそれらの作用と暮らして行かざるをえない…カツアゲロード(デッドマンズカーブ)はそういう場ということだ。
 
コマは真っ直ぐに割られているけれど、どこまでも不安や渇きの漂うジョジョリオン5巻。もやもやはなかなか晴れない。面白いね。

レビュー投稿日
2013年10月18日
読了日
2013年10月18日
本棚登録日
2013年10月18日
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