二つの祖国(四) (新潮文庫)

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本棚登録 : 489
レビュー : 29
著者 :
nappi85さん  未設定  読み終わった 

長かった…。3月末にドラマが放送され、原作がすごく気になりちょこちょこ読み進めてました。
読んですごくよかった。長いけどおすすめ。特に若い人へ。

日米開戦と同時に、12万人の日系人が強制収容所へ入れられたのは事実。
この小説に出てくる主人公やそれを取り巻く人々はフィクションだけども、
著者の相当に膨大な取材、調査による事実を織り交ぜた歴史小説です。

日系二世の主人公は、アメリカ人として生きるべきなのか、日本人として生きるべきなのか、痛烈な問いを突きつけられます。
米国籍を持つ主人公は、収容所に入れられながらも語学兵としてアメリカ人の立場で戦い、最後は東京裁判で言語調整官として法廷に臨み、常に日本とアメリカの狭間でもがき苦しみます。
ただこの小説はこれだけではない。
第二次世界大戦の全てが網羅されており、
戦争中に日本が犯した罪。
パールハーバーの真実。
太平洋戦争のあまりにも壮絶すぎる実態。
捕虜に対する、国際的な常識と当時の日本の常識の違い。(実際ハーグ条約で非人道的な扱いは禁じられていた)
東京裁判でのかなり詳細な成り行き。
天皇制について、戦勝国が下した決断。
戦犯たちが負った運命。
何が日本を戦争に駆り立てたのか。
何も知らなかった自分を恥ずかしく思うけど、教科書だけでは知り得ない事実の数々。
難しく読みにくい部分もあるけど、
元号が変わって皇室のニュースも多い今、知っておかなければいけないことの多さに打ちのめされました。

戦争は、誰にとっても良い結果をもたらさない。
強い国、弱い国、シナリオ作り、世論のコントロール…すべて国民の手の届かないような場所で、戦争への道が切り開かれていく。
弱い立場の国民は、本当に、国のやること、周りの国からの思惑、見極めなければいけないなと思った。

レビュー投稿日
2019年7月9日
読了日
2019年6月1日
本棚登録日
2019年6月1日
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