唯美主義の色濃い刺青。美のためなら男を肥やしにしても良いという女、美のためなら嗜虐を厭わない男。2人が絡み合うことで唯美主義は昇華している。しかし、これが春琴抄ではある種自虐的、シニカルに書かれているなぁ。唯美主義と自己愛の顕現たる春琴、ただのワガママアホ女。盲目だからってここまで性格歪むなんてアホや。春琴に使える佐助。恋は盲目ってこの作品から生まれたのかな?普通好きな人のためだからって自分の目を刺しますかいな。ここに谷崎潤一郎の心のブレというか、あってしかるべき葛藤が現れていると思う。美を畏怖しながらも、それに過度に傾倒することを潔しとしなかった二面性がいかにも人間臭いじゃないか。
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- 感想投稿日 : 2014年8月26日
- 読了日 : 2014年8月26日
- 本棚登録日 : 2014年8月26日
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