今から40年ほど前の1980年前後(星新一さん55歳前後)に書かれたエッセイ。
売って儲けることが最大の目標であり、バブル崩壊に向かって突き進んでいる真っ最中の(否定論は主張しにくい)時期だ。
生真面目さ故か、ちょっと浮かれた社会や横柄で威圧的な政治の在り方に苦言を呈する記述が所どころに入ってくる。
星さんなりの倫理観の基準から世の中の行動がずれていくことへの不安が感じられます。
「UFOの警告」という題名の20ページ足らずのエッセイが良かった。
ここからは星新一さんのショートショートの背後にある思想が読み取れる。
未来を思考する時、政治家は次の選挙のことぐらいしか考えないし、学者だってせいぜい100年先くらいだと言っている。
人類をとりあえず10万年だけ生き延びさせる方法を本気で考える人がもっと増えることを希望している。
UFOの警告とは、「人類よなぜ破滅の道を急ぐ、手遅れになる前に(10万年~100万年という)超長期安定を目指せ」ということらしい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
*星新一
- 感想投稿日 : 2020年2月8日
- 読了日 : 2020年2月8日
- 本棚登録日 : 2020年1月12日
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