三毛猫ホームズの仮面劇場 (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社 (2005年4月12日発売)
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本棚登録 : 242
感想 : 12
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何者かの手引きで「須田家」を演じる事になった赤の他人の三人、W不倫の評論家夫妻、祖父の暴力から逃げ出した少女、そしていつものホームズ一行。彼らが集まった湖畔のロッジ<霧>で当然何もない筈が無く、次々と不可解な事件が起こる。また中盤ホームズが湖に落ちて行方不明になり――メタ視線では死ぬはずが無いとは分かっているが――ハラハラする展開になっていく。
今作のテーマは「家族」と非常に分かりやすい。「須田家」の三人が用意された仮面を脱いだ時、そこには一度はすべてを失った本来の彼らの素顔に戻るのだが、新しい希望に満ちた清々しいラストだった。最後の最後のジジィのくだりはちょっぴり蛇足かも。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2013年2月7日
読了日 : 2013年2月7日
本棚登録日 : 2013年2月7日

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