ルポ 拉致と人々――救う会・公安警察・朝鮮総連

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  • 岩波書店 (2011年1月27日発売)
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北朝鮮による拉致問題が明らかになった後、当然といえば当然だが、反北朝鮮ムード一色になった。しかし、それに乗じて、歪んだ事象が引き起こされなかったか。ある意味、タブーに踏み込んだルポである。
多くのページが割かれているのは、拉致被害者の家族を〝サポート〟していた「救う会」。「現代コリア研究所」が中心となった団体だが、世論を背景に国民的運動を巻き起こす。しかし、国家権力への接近やかつて縁のなかった巨額な資金が飛び交うようになるつれて、内紛が生じ、運動の性格も極端化していった。十年以上「救う会」の会長を務めた元会長の佐藤勝巳氏は著者のインタビューに実にあっさりと〝実状〟を認めている。
その他、「北朝鮮に日本と交渉させる気にさせるのが警察の仕事だ」とした漆間警察庁長官の〝暴走〟や、拉致解明のキーマンと持ち上げられながら、麻薬で捕まった脱北者、安明進氏などを取り上げている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2012年
感想投稿日 : 2012年2月6日
読了日 : 2012年2月4日
本棚登録日 : 2012年2月4日

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