女性の体と男性の心で生まれた性同一性障害の人の半生記。常に自分の性に悩みながらも、常にがむしゃらに頑張る強い心。中学・高校では器械体操に打ち込み、その後はダンサーを目指し、ニューヨークで修行し、トロカデロ・デ・モンテカルロバレエ団にまで入った。
すごい人生だ。目標を定めてそれに向って突き進む。自分が求めているのは何なのか、次々と見えてきて道が拓けるのは、いつも積極的に前向きに頑張っているからだろう。(自分で「頑張る教」と呼んでいる)
親兄弟も、そんな彼を抑えたりせず、信じて自由にさせていたのはすごい。
それにしても、性同一性障害は厳しいなあ。性別適合手術を受けて戸籍も変えても、元々男だった体とは違うし、子どもを作ることはできなくなる。
最後には
「神様を恨んだこともあったし、母にあたったこともある。でも、性同一性障害じゃなかったら、僕はここまでやってこられなかっただろう。どうしても埋められない性別のことがあったから、それをバネにして、自らの可能性を広げたのではないかと思う。」ー P.175
とまで言っている。すごい人だ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
和書
- 感想投稿日 : 2017年11月19日
- 読了日 : 2017年11月19日
- 本棚登録日 : 2017年11月19日
みんなの感想をみる