すてきな三にんぐみ

4.08
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本棚登録 : 2799
レビュー : 435
制作 : いまえ よしとも 
nejidonさん トミー・ウンゲラー   読み終わった 

読み聞かせの講座を受けていた三年間、この本は使ってはいけませんと、
講師に何度言われたことか。
理由はとても単純で、泥棒の話だからということだ。
そう言われてしまうと反論も出来ず、低学年には読まないことにしている。
つまり、かすかな皮肉も理解してくれる高学年には読んでいるのだ(笑)
言葉のリズムがとても良く、何よりウンゲラーの絵が素晴らしい。
ぱっと見はブラックな話かと身構えてしまうような、背景の黒。
そこに浮かび上がる緋色や青灰色が、はっとするほど美しい。
その絵をもっとよく見てもらいたいために、わざわざビッグブックを図書館で借りてきて使うほどだ。

三人組の山賊が、ティファニーちゃんという女の子をたまたま助けたところから、
孤児を集めてお城で暮らすことになる。
それまで集めたお金が、素敵な資産となったというわけだ。
お城の噂が広まって、国中の孤児がどんどん集まるというのもなんとも皮肉な
ことで、まるで「赤ちゃんポスト」さながらだ。
大人にとっては、笑っていいのかどうなのか複雑なことこの上ない話だが、
「泥棒の話だから」と封印するにはあまりに惜しい。
ビジュアル的に、並ぶものがないほど良くできているのだ。
フランス人であるウンゲラーが、娘に託したのは、ちょっぴり大人のエッセンスの入ったお洒落な絵本なのであります。
ナレーション型の声の方が、明るくきびきびと読むと良いかもしれない。約6分。

レビュー投稿日
2013年2月28日
読了日
2013年2月28日
本棚登録日
2013年2月28日
6
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